猫に必要な栄養は、総合栄養食に分類されるキャットフードを与えていれば、それで全てまかなうことができます。
既成品のキャットフードよりも、手作りごはんの方がなんとなく良いものであるように感じられるのですが、
手作りでキャットフードと同等の栄養を含む食事を作るのは至難の業。
下手に栄養バランスの偏った手作りごはんを与えるのなら、キャットフードを与えておいた方が猫の体にとっては悪影響がないのですよね。
しかし、手作りごはんを与えることにもメリットはあります。
今回は、猫に手作りごはんを与えるメリットと、猫用のごはんを作る場合に頭に入れておきたい基礎知識、
また簡単な手作りごはんのレシピなども解説します。
猫に手作りごはんを与えるメリットって?
手作りごはんは栄養が偏りやすいため、それを猫の食事のメインとするのはおすすめできません。
ですが、あくまでもキャットフードをメインにした上で、たまに手作りごはんを与える程度であればそれなりにメリットはあります。
以下をご覧ください。
安全・安心な食材を自分で選べる
市販のキャットフードには、保存料や酸化防止剤、着色料・香料といった添加物が多く使われています。
ある程度日持ちさせ、猫の食いつきや見た目をよくするために行われていることですが、猫の体にとって必要なものとはいえません。
腐らないというのは大きなメリットですが、猫の体には害となる場合もあります。
また、安価なフードでは主原料名がはっきりと明記されていなかったり、猫には消化しにくい穀類を多く使っていたりすることも少なくありません。
こだわりがないのならばともかく、キャットフードに使われる食材にこだわりたい飼い主にとっては、
フードを変えるたびに原材料を確認しなくてはならず、手間がかかります。
その点手作りなら、飼い主自らが食材を選んで使用することができるため、安全・安心です。
水分を適度に摂取できる
総合栄養食として猫に与えるメインのエサのほとんどは、ドライタイプのフードです。
しかしドライフードばかり食べていると、水分摂取量が不足して体調不良を引き起こすことも。
喉がかわけば飲むだろうと考える人もいるかもしれませんが、もともと猫は水をあまり飲まない生き物であるため、
進んで水を飲みたがらない猫もいるんです。
なので、特に飼い猫は水分が不足しやすい傾向にあります。
水分不足の状態が続くと腎臓に負担がかかり、腎臓病になりやすくなります。
実際、シニアになるころには腎臓病になってしまっている猫も少なくはなく、水を飲ませる工夫を常々考えている飼い主もいらっしゃるかと思います。
参考:猫にとって水を飲むことは病気予防にもつながる 水を飲みやすくする工夫をしてみよう
そんな人におすすめなのが、手作りごはんです。
手作りごはんならスープやおじや状にするなど水分量を調節し、食べ物から自然に水分を摂らせることができます。
ウェットフードを与えても水分を摂取させることは可能ですが、
手作りごはんの方が水分量を調整しやすいですし、コストもウェットフードに比べると小さくて済むというメリットがあります。
猫の体調にあわせ、食事内容を細かく調整できる
猫の体調にあわせてキャットフードの種類や量を調整したり、ウェットフードを与えている飼い主は少なくないと思います。
ただ、既製品だと調整するにも限界がありますし、日ごとに調整するなどきめ細やかな対応は難しいです。
しかし手作りごはんなら、肥満気味の場合はカロリーを抑える、便秘気味の場合は野菜を増やすなど、
猫の体調に合わせて食事内容を細かく調整することができます。
食べ方や食べる量などを観察することで、猫の体調の変化にも敏感になりますから、体調不良にも早く気づけます。
食事に楽しみが生まれる
いつもはだらだら食いをする猫でも、手作りごはんならお皿をキレイに舐めるほど食が進むことが多くみられます。
いつものごはんとは違うと、猫にもわかるんですよね。
食べることに楽しみを感じられるようになるんです。
特に同じキャットフードだとすぐに飽きてしまう猫には、食事内容に変化をつけやすい手作りごはんはおすすめです。
ただし、人が食べているものと似た食事を与えることで人の食べ物を欲しがるようになる猫もいるため、
その点は注意が必要です。
頭に入れておきたい、猫用手作りごはんの基礎知識
猫にとってメリットがたくさんある手作りごはんですが、気をつけなくてはいけない点もあります。
猫は人間とは食性の異なる生き物であるため、人が食べるような食事は体に合わないんです。
また、食べさせてはいけないものもあるため、注意が必要です。
猫に与えてはいけない食材について
生のイカやタコ、生の豚肉、ねぎ類、生の青魚、ごぼうやなすといったアクの強い野菜、人間用に味付けされた食材は猫には向かないため、与えないようにしましょう。
猫に与えてはいけない代表的な食材には、以下のようなものがあげられます。
【生のイカやタコ、貝、甲殻類、青魚】
生のイカやタコ、貝類をはじめとする魚介類には、チアミナーゼと呼ばれるビタミンB1分解酵素が含まれているため、
猫にたくさん食べさせることでビタミンB1欠乏症になる恐れがあります。
酵素は加熱すれば活性を失うため、熱を加えれば食べさせられないことはありませんが、
特にイカやタコは消化の良くない食材であり、猫に食べさせるとお腹を壊すことがあります。
あえて食べさせるメリットもないため、与えない方が良いでしょう。
あと青魚については、例えばさばやアジといった青味の魚には不飽和脂肪酸が多く含まれますが、
猫が食べると体内の脂肪を酸化させてしまい、黄色脂肪症(イエローファット)を発症することがあります。
長期にわたって食べさせることで起こりうる症状であるため、
頻繁に食べさせるのは控えましょう。
【アワビ・サザエなどの内臓】
猫がアワビやサザエなどの内臓を食べると、それらに含まれる成分によって日光過敏症の症状が出やすくなります。
猫は日に当たるのが好きな生き物であるため、アワビやサザエなどの内臓を食べた場合、症状が出る可能性は高いでしょう。
とはいえ、アワビやサザエなどの内臓を食べさせることはまずないと思います。
万が一その可能性がある場合は、猫の口に入らないように注意しましょう。
【生の豚肉】
生の豚肉なんて、人間ならまず普通は食べることがありませんが、肉食である猫には生肉を食べるイメージがあり、
与えてもよいと考えている人もいるかもしれません。
しかし、生の豚肉にはトキソプラズマと呼ばれる寄生虫がいることがあり、猫に食べさせることで感染させてしまう恐れがあるため、
与えないようにしましょう。
火を通したものなら大丈夫です。
ちなみに猫がトキソプラズマに感染した場合、発熱や食欲不振といった症状が出ることがありますが、無症状であることも少なくはありません。
しかし、猫が感染すると人に感染する確率があがります。
もし人がトキソプラズマに感染した場合、無症状であることもありますが、インフルエンザのような重い症状が出ることもあります。
特に怖いのが妊婦の方の感染で、胎盤を通して胎児に感染することで流産や死産の原因となったり、
胎児が先天性トキソプラズマ症を発症する可能性も否めないため、注意が必要です。
【ねぎ属の野菜】
ねぎ属の野菜とは、例えば玉ねぎや長ネギ、ニンニク、ニラなどです。
猫がこれらの野菜に含まれる、アリルプロピルジスルフィドなどの有機硫黄化合物をはじめとする成分を摂取することにより、
溶血性貧血や血尿、下痢や嘔吐などの症状を起こすことがあります。
食材を加熱してもその毒性は消えないため、ねぎ属の野菜を含む料理は、加工食品なども含めて一切食べさせないようにしましょう。
スープなどに含まれる、オニオンエキス程度のごく少量だと思われるものでも与えるのはNGです。
【ブドウやレーズン】
ブドウやレーズンも、猫には食べさせない方がよいとされる食品のひとつです。
といっても、ブドウやレーズンは猫よりも犬の方が気を付けなくてはならないのですが、
猫でも食べると腎臓に悪影響を与える可能性が懸念されるため、与えない方が良いでしょう。
ブドウやレーズンを手作りごはんに使おうと考える人はあまりいないと思いますが、ご注意ください。
【アボカド】
アボカドの種子や皮などに含まれるペルジンという成分を猫が摂取することで、
胃腸障害を起こし嘔吐や下痢の原因となる可能性があります。
【ホウレンソウやゴボウ、ナスなどのアクの強い野菜】
ホウレンソウやゴボウなど、あくの強い野菜は猫には与えないようにしましょう。
それらの野菜はシュウ酸が多く含まれており、猫に食べさせることで尿路結石などの原因となる可能性があります。
野菜によっては茹でることでシュウ酸の量を減らすことができるため、
調理の仕方によっては少量なら大丈夫ですが、すすんで与えるものではありません。
【人間用の牛乳】
人用として売られている通常の牛乳には、乳糖が含まれています。
人と同じで、猫の中にはその乳糖を上手く分解できずにお腹を壊してしまう子もいるのですよね。
お腹を壊さなくても、牛乳には脂肪が多く含まれること、またシニア猫には牛乳に含まれるナトリウムが体の負担となる場合があるため、
牛乳を与えるのはおすすめしません。
もし飼い猫に牛乳を与えたい場合は、牛乳ではなく猫用ミルクを利用するようにしましょう。
ちなみに猫用ミルクには子猫、成猫、シニア猫用などさまざまな種類があります。
それぞれの年齢の栄養摂取に配慮して作られているため、子猫なら子猫用、シニアならシニア用といった具合に、猫の年齢に応じた猫用ミルクを選んであげてください。
【人間の食べるもの】
当然ですが、人間が食べる料理や加工食品を猫に安易に与えないようにしましょう。
人間の食べるものは、猫にとっては塩分がきつすぎます。
ちょっとだけだからいいかと思っても、それが重なると塩分過多になって腎臓に負担をかけてしまいます。
また、猫に人が食べる食べものの味を覚えさせてしまうと、隙あらば盗み食いしようとしたり、隠してもしつこく狙う子もいるのですよね。
猫の性格にもよりますが、食い意地の張った猫ほど執念深く料理を狙うので、猫のそばで人が食事をしづらくなるという弊害も。
人が食べる料理には、目に見えなくても玉ねぎなどのNG食材が使われていることがあるため危険です。
与える癖をつけないようにしましょう。
炭水化物はほとんど必要ない
炊いたご飯にかつおぶしなどをかけたごはんを「猫まんま」と呼ぶことがありますよね?
その影響なのか、「猫まんま」のような料理こそが猫の食べるごはんだと考えている人もいるようなのですが、
猫には炭水化物はほとんど必要ありません。
猫は肉食であり、猫の体は肉や魚などたんぱく質の消化を得意としています。
一方で、コーンや小麦など穀類の消化は苦手であるため、炭水化物過多の食事を与え続けることは猫の体に負担をかけてしまうことになり、よくありません。
猫に手作りごはんを与える場合は、猫まんまのような炭水化物メインの料理ではなく、
肉をメインに使用した料理を作るようにしましょう。
消化のいい白米を少量ならば、与えても大丈夫です。
調味料は使わないようにする
猫の食事には塩分はもちろん、砂糖や醤油といった調味料は一切必要ありません。
というより、塩分の取りすぎは腎臓に負担がかかるため、味は付けない方が良いのです。
肉や魚をメインに、素材の味を生かした調理法を意識して料理を作りましょう。
補足として、味付けの必要がないとはいっても、猫が濃い味を好んでいないわけではありません。
味が濃いと食いつきが目に見えて良くなるのは、美味しいと感じているからでしょう。
ただ、一度人間が食べるような濃い味を覚えてしまうと薄味のごはんを食べなくなる猫もいますし、
人間用の料理を狙うようにもなりますので注意が必要です。
手作りごはんは徐々に慣れさせる
これまでキャットフードしか与えていなかった猫に、いきなり手作りごはんを与えると戸惑ってしまう子もいます。
食い意地の張った子ならばともかく、手作りごはんを警戒して食べない猫もいるため、徐々に慣れさせるようにしましょう。
まずはかつおぶしやささみなどを、キャットフードに少量トッピングすることから始めてみてください。
細かく刻んだ野菜や卵をトッピングするのもOK。
ここで猫の好む食材を探っていきます。
食材をトッピングしてフードの食いつきが良くなるようなら、それは猫の好物です。
慣れてきたら徐々に量を増やしてください。
放置して雑菌を繁殖させないように注意する
手作りごはんには水分が多く雑菌が繁殖しやすいため、食べ残したら放置せず、すぐに片付けるようにしましょう。
もったいないかもしれませんが、食べ残したものは処分して下さい。
小分け冷凍も可
猫用のスープを1度に大量に作り、小分け冷凍しておくことも可能です。
よく使われるのが、製氷皿にスープやだしを入れてキューブ状に固めて保存しておく方法。いわゆる、猫の冷凍スープのもとです。
スープのもとがあれば、必要な分を溶かして具材を入れるだけで簡単にごはんを作ることができます。
手作りごはんよりも、キャットフードに比重を置くこと
手作りごはんには様々なメリットがありますが、飼い主が作ったごはんが、猫にとって最適な栄養バランスであるとは限りません。
というより、栄養が偏っていることの方が多いのではないでしょうか。
人により判断が異なるところですが、私自身は猫に手作りごはんを食べさせる場合でも、週に1~2回ほどに留めておくのが無難だと考えています。
総合栄養食に分類されるキャットフードは、猫にとって最適な栄養バランスで作られているため、
品質の良いフードさえ与えておけば栄養不足にはならず、手作りごはんの栄養バランスが少々偏っていたとしても気にしなくて済みます。
また、週に1~2回ほどの手作りごはんであれば飼い主自身にも負担がありませんよね。
猫の体のことを考えるのなら、手作りごはんを毎日作るのではなく、
その猫の体にあった高品質なキャットフードを探してあげることです。
猫の手作りごはんにおすすめの食材は?
猫の手作りごはんを作る場合に参考となる、おすすめの食材についてご紹介します。
鶏肉・赤身の牛肉などのタンパク質
肉食動物である猫には、タンパク質食材をメインに与えましょう。
タンパク質食材といってもいろいろありますが、
中でも動物性タンパク質である鶏肉や赤身の牛肉などがおすすめです。
猫に生肉のイメージをお持ちの方もおられるかもしれませんが、基本的にはどの食材も加熱して与えるようにしてください。
卵
卵は、たんぱく質源としては優秀な食材です。
基本は加熱して与えてください。
生卵に関しては、卵黄を生で与えるのは問題ありません。
しかし生の卵白には、ビオチン(ビタミンBの一種)の吸収を阻害するアビジンと呼ばれる酵素が含まれており、
それによって猫が下痢や皮膚炎を引き起こす可能性があるため、与えないようにしましょう。
加熱をすればアビジンは変性してしまうため、与えても問題ありません。
魚類
猫は刺身にも興味を示しますが、やはり基本は加熱をして与えるようにしてください。
猫の手作りごはんには、白身魚や鮭などがよく使われます。
あと猫に与えてはいけない食材の項で、青魚を頻繁に与えるのは良くないと述べましたが、
全く与えてはいけないわけではありません。
イワシやアジといった青魚には、猫に必須の栄養素であるタウリンが豊富に含まれていますので、
たまになら食べさせるメリットは大きいです。
骨が多い魚を使う場合は、必ず骨を取り除いてから与えるようにしましょう。
かつお節・煮干し
かつお節や煮干しは、猫の食いつきが良い食材です。
これらを使うと良い香りがたつため、かつお節をかけると喜んでごはんを食べるという猫も少なくはなく、
ダシやふりかけとして活用できます。
かつお節にはビタミンが、煮干しにはミネラルやカルシウムが豊富に含まれており、栄養の摂取効果も期待できます。
ただし、人間用だとミネラルが多く猫の体には負担となるため、塩分を含まない猫用のものを使用して下さい。
レバー類
レバーはビタミンB1、ビタミンA、ミネラル、タウリンなど栄養豊富な食材です。
しかし猫にとっては栄養が豊富すぎるために、摂りすぎは内蔵に負担をかけます。もし与えるのなら、週に1度程度で少量ずつにとどめましょう。
ペット用として売られているレバーなら生で与えても大丈夫ですが、鮮度が落ちやすい食材であるため、
扱いには気をつけてください。
にんじん
βカロチンを多く含むにんじんには、免疫力を高め、皮膚や粘膜を保護する作用が期待できます。
油と一緒に摂取するとβカロテンの吸収がよくなるため、少量の良質な油をつかったメニューに組み合わせるのがおすすめです。
なお、猫の手作りごはんに加える場合は生のままではなく、
細かく刻むかすりおろしたあと、火を通して柔らかくしてください。
にんじんは繊維が硬いため、生のままだと消化不良を起こす場合があります。
かぼちゃ・さつまいも
かぼちゃやさつまいもには食物繊維が豊富に含まれており、
手作りごはんに少量を加えることで、適度な量の食物繊維の摂取に役立ちます。
これらの野菜はビタミンも豊富ですし、好む猫も多いです。
無糖ヨーグルト
人間用の牛乳には乳糖が多く含まれるため、猫に与えるのには適しませんが、
ヨーグルトは乳糖がある程度分解されているため、少量ならば問題ありません。
人間用のヨーグルトなら無糖タイプで、できれば低脂肪のヨーグルトを選んでください。
人間用のものが心配なら、猫用のヨーグルトを用いるのも良いでしょう。
ヨーグルトにはタンパク質やカルシウムが含まれるほか、継続して食べさせることで菌による整腸作用も期待できます。
なお、継続して食べさせる場合でも頻繁に与えるのではなく、3~4日に一回程度が無難。
また与える量は成猫で、小さじ1杯~2杯程度が適当です。
万が一ヨーグルトを食べさせて体調が悪くなる場合は、
その猫の体にはあわないということであるため、与えるのは止めましょう。
良質なオイル
食事から摂取しなくてはならない脂肪酸を必須脂肪酸と呼びますが、
その中でも特に、猫にはオメガ3系の脂肪酸が欠かせません。
といっても、オメガ3系の脂肪酸だけを摂っていればよいというわけではありませんが、
他の脂肪酸と比較して、オメガ3系の脂肪酸は意識して摂取を心がけないことには不足しやすいんです。
不足すると毛並みが悪くなったり、血液が固まりやすくなったりします。
オメガ3系の脂肪酸はサプリメントとしても提供されており、そういったものを利用しても良いのですが、
せっかくごはんを手作りするのですから食事で補うことを考えてみましょう。
オメガ3系の脂肪酸は、食用オイルではグリーンナッツオイルやアマニオイル、エゴマオイルなどに多く含まれています。
オメガ3系のオイルは酸化しやすいという欠点があり、少々扱いにくいのですが、
上にあげたグリーンナッツオイルは抗酸化成分であるビタミンEが豊富に含まれており、
オメガ3系なのに酸化しにくいという特徴を持ちます。
その他に含まれる脂肪酸とのバランスもよく、手に入れられるのならおすすめのオイルです。
あと、手作りごはんに利用されることの多いオリーブオイルは、オメガ3系の脂肪酸を多く含んではいないものの、
酸化しづらく加熱に強いという特徴を持つため、手作りごはんに利用するのは悪くありません。
ただし、いくら良質な油が猫の体に必要だとはいっても、摂りすぎはかえって体に毒です。
油分は肉や魚などのたんぱく質をしっかりと与えていれば、それなりの量を摂取できるものであるため、
人間が摂取する感覚でオイルを猫に与えるのは良くありません。
体重4㎏程度の成猫で、小さじ2分の1程度が適当です。
手作りごはんにひとたらししてあげると良いでしょう。
もしオイルを与えたあとに下痢をするようなら、与えすぎの可能性があります。
猫の手作りごはんのレシピ例
「猫の手作りごはんは手間がかかりそう…」と身構えてしまう人は多いかもしれませんが、
キャットフードに食材をトッピングしたり、野菜や肉をゆでるだけだったりと、イメージよりも簡単にできるんですよ。
ここでは、簡単に作れる猫の手作りごはんのレシピをご紹介します。
キャットフードに野菜をプラスする
まだ猫が、手作りごはんに慣れていない段階でのおすすめの方法です。
茹でた野菜をつぶしたり細かく刻んだりして、スプーン1杯程度の量をフードにプラスしてみましょう。
キャベツやにんじん、かぼちゃなどアクの少ない野菜がおすすめ。
ドライフードにトッピングするのも良いですが、ウェットフードに混ぜ込んだほうが食材がなじんで食べやすいです。
茹でささみ
茹でたささみを細かくちぎって与えます。
ささみを茹でたあとのスープをそのまま飲ませてもいいですが、調味料は入れないようにしましょう。
人間から見ると美味しいの?って感じですが、喜んで食べる猫は多いです。
手作りツナ
ツナ缶は猫が大好きなもののひとつ。
とはいっても人間用は油分や塩分が高いため、手作りしてみましょう。
まぐろやかつおの刺身を耐熱皿に並べ、オリーブオイルを少量かけたらレンジで3分程度加熱します。
冷めたらほぐして与えましょう。
少量の野菜を混ぜてもOKですが、ねぎ類は使わないでください。
猫用ハンバーグ
ひき肉に、すりおろしたにんじんと少量の溶き卵を入れてよくこね、オリーブオイルで焼きます。
牛・豚・鶏のどれを使っても大丈夫です。
玉ねぎや調味料は使わないようにしましょう。
基本のだしスープ
日常使いにおすすめなのが、肉のだしたっぷりのスープです。
具材を変えれば味に変化をつけることができ、水分摂取にも役立ちます。
製氷皿などを使ってキューブ状に固めておくと、いつでも使えて便利ですよ。
作り方は簡単。
鶏ガラと水を鍋に入れて火にかけ、だしをとります。
圧力鍋を使うと手軽です。
鶏ガラが手に入らない場合は、鶏もも肉やささみでも大丈夫ですし、かつおぶしを入れればさらに香り付けになります。
だしがとれたら、鶏肉やささみなどのタンパク質と、キャベツやにんじんなどの野菜類を細かく刻んだものを入れて煮込んで与えましょう。
仕上げにオリーブオイルなどのオイル類をたらすと、猫に必要な必須脂肪酸を補うことができます。
鶏だんごスープ
前でご紹介した基本のだしスープを温め、鶏ひき肉を丸めて落とし入れれば鶏だんごスープになります。
だんごに使用する鶏ひき肉は、油の少ない部位を使用しましょう。
猫の手作りごはんは難しくない!気軽に取り入れよう
長々と書きましたが、猫の手作りごはんといっても大げさに考える必要はありません。
基本的には、素材の味を利用して調理するのみなので複雑な工程はなく、食材に少し手を加えるだけでできてしまいます。
与えてはいけないものなど、いくつかのポイントを押さえておく必要はあるものの、多くの方が考えているよりもずっと簡単です。
ただ、猫の食事すべてを手作りにするのは専門的な知識がないと難しいです。
飼い主のスケジュールにもよりますが、大体週に1度程度を目安に、キャットフードと併用しながらとりいれるのが安全で長続きするコツです。
なお、すでに何らかの病気を持っている猫は、療法食など特殊な食事をしなくてはならない場合もあり、安易に手作りごはんに切り替えるのはおすすめできません。
そういった猫に手作りごはんを与えたい場合は、まず獣医さんに相談してみることです。