アレルギーの原因には食べ物、花粉、埃、ペットなどいろいろありますが、
その中でも特に多いのがダニが原因となるアレルギーなのだとか。
どれだけきれいに掃除をしていても、丁寧にダニ対策を実践していたとしてもダニがいない家庭はまずありません。
それくらい、繁殖しやすいものなんです。
かくをいう私自身もダニにアレルギーがあり、日頃から気を付けていないとアレルギー症状がでてきます。
なかでも気をつける必要があるのが、布団です。
ダニは部屋のさまざまな場所、例えばじゅうたんやカーペット、ソファー、カーテンなどの布製品をはじめ、
降りつもった「ほこり」にも生息するなど家じゅうに存在するといっても過言ではないのですが、特に多いのが布団なんですよね。
であるのにもかかわらず、布団は最低限のダニ対策…なんてご家庭は少なくないのではないでしょうか?
徹底したダニ対策を実践するのなら、まずは布団に目を向けましょう。
といっても、普通に天日干しするだけではダニ対策としては不十分でなんですよね。
今回は私自身も実践している、効果的に布団のダニを減らすためのダニ対策について解説します。
ダニアレルギーが起こる原因は、ダニそのものではない
一般的に家庭に多いダニは、「コナヒョウヒダニ」や「ヤケヒョウヒダニ」というヒョウヒダニ…
総称して「チリダニ」と呼ばれるダニが中心であることがほとんど。
ダニが原因のアレルギーは、この「チリダニ」がアレルゲンとなっていることが多いのだそうです。
といっても、ダニがいるから必ずアレルギーが起こるわけではありません。
アレルギー持ちでも、ダニの数が少ないうちはほとんど症状が出ないという人も多いはずです。
しかしダニが増殖するにつれ、アレルギー症状が起こりやすくなります。
このダニによるアレルギー症状は、ダニそのものが悪さをして起こるというよりは、
ダニの死骸やフンが皮膚や目、鼻の粘膜につくことによってアレルギー反応が起こることがほとんど。
ダニが増えたからアレルギー症状が起こるのではなく、ダニが増えることによって死骸やフンも増えるために、
アレルギーによるさまざまな症状が出るというわけです。
なので布団のアレルギー対策を行うのなら、ダニそのものを増やさないようにするだけではなく、
ダニの死骸やフンをきれいに掃除する必要があるんですね。
布団はダニの宝庫 何もしなければダニの死骸やフンだらけ
布団は一年を通して湿度や温度が高く保たれるだけではなく、ダニのエサとなる人間のフケやアカが沢山落ちているため、
ダニにとってはまさに天国のような環境です。
そのような環境が整った場所では、ダニは短期間のあいだに爆発的なスピードで増殖していきます。
特に温度や湿気の多い梅雨の時期は、ダニの繁殖期ともいえるくらいダニが増えやすい時期です。
ダニはライフサイクルが短いため、増殖しはじめると死骸やフンの数も爆発的に増えていきます。
そういったアレルゲンが体に付着したり、体内に入ってくることによってアレルギーの症状が出てしまうというわけです。
ダニが増えるのは梅雨頃がピークですが、ダニアレルギーの症状が一番出やすいのは秋頃だといわれています。
その理由は、夏場に増殖したダニによるフンやその死骸が、秋頃には大量に蓄積した状態となっていること、
また空気が乾燥することにより、それらのアレルゲンが粉状になって人間の体内に入り込みやすくなっているからです。
これまでダニに対してアレルギーがなかった場合でも、大量のダニアレルゲンに触れ続けることによってアレルギー症状が出ることがあるため、
自分はアレルギーがないから大丈夫、などと安心はできません。
家族にアレルギーをお持ちの方がいる場合はもちろんですが、そうではない場合でも、
布団のダニ対策は欠かせないと考えてください。
布団の天日干しはダニ対策とはいえない
ダニ退治と聞き、まず思い浮かぶのが「天日干し」だという人は少なくはないのではないでしょうか?
強い太陽の下で布団を干せば、乾燥や殺菌効果が得られることはもちろん、熱でダニも死滅してしまうようなイメージがわきますよね。
しかし、実は思ったほどの効果はなかったりします。
というより、環境によっては全然効果がない場合もあるんです。
布団の天日干しには、殺菌効果や乾燥効果があります。
なので干す意味がないわけではありませんが、ダニは生き物なので、環境が不快になると移動してしまうんですよね。
具体的には、布団の表面が太陽熱にさらされて熱くなると、温度の低い裏側へ逃げてしまうんです。
なので、天日干しではダニ対策といえるほどダニの数は減らせないと考えた方が良いでしょう。
あと最近はあまり見られませんが、布団を干したあとに表面をバンバンとたたく姿、昔は良く見かけましたよね。
今でもたまに、布団をたたいている音がどこからか聞こえることがありますが、あれってダニ対策としては逆効果なこと知っていましたか?
布団を叩くと、布団にくっついたダニやゴミが落ちるようなイメージがありますが、実はほとんど落ちません。
それだけではなく、叩く衝撃で布団の素材が傷みやすくなってしまいますし、布団内部のダニやダニの死骸、
フンなどが叩くことによって表面に出てきてしまいます。
その状態で布団を利用すると…。
布団を干す前よりも、ダニの死骸やフンによるアレルギー被害を受けやすくなってしまうんです。
布団の湿気を取るという意味では、天日干しは無駄ではありません。湿気をなくすことで、ダニを増えにくくする効果も得られるはずです。
ただ、ダニが増えてしまった状態の布団を天日干ししたとしても、ダニやダニアレルゲンを減らすことは難しいといえるでしょう。
干すよりも布団乾燥機が効果的
布団を天日干しするだけでは、ダニ対策にはなりません。
干すだけではダニを死滅させられないばかりか、アレルゲンとなるダニの死骸やフンを取りのぞくことができないからです。
また最近は、環境の事情やお仕事などで干す暇がないという理由より、外に布団を干せない家庭も少なくはないと思います。
そんな場合に役立つのが、布団乾燥機です。
私自身も、もうずっと布団の乾燥には布団乾燥機を利用しています。
布団乾燥機を利用するのは、ダニ対策を効率的に行えるという理由が一番大きいですが、以下のような理由もあります。
・布団の外干しはタイミングが難しい
・外干しだと花粉やPM2.5、粉じんなどの目に見えない汚れが付く
布団を外に干す場合、天気によってできる時とできない時があります。
また布団を干す時期や時間帯によっては、逆に布団に湿気を吸わせてしまうリスクもあるんですよね。
あと、外に干すことで花粉や粉じんなど目に見えない汚れがついてしまう可能性も否めません。
エコではないかもしれませんが、特にアレルギーをお持ちでダニ対策を考えている場合には、天日干しよりも布団乾燥機がおすすめだといえるでしょう。
ダニは50度以上の環境にしばらく置くことで、死滅させられます。
布団乾燥機は布団の温度を均一にあげられるため、ダニ退治には効果的です。
設置する労力も、布団を運ばなくてはならない天日干しとは比較にならないくらい楽ですし、
時間や天気に関係なく利用できるところも魅力。
もちろんダニを死滅させられたとしても、布団にダニの死骸やフンは残ってしまうため、
乾燥させるだけではダニ対策としては不十分ですが、布団の乾燥にはもってこいの道具だといえるでしょう。
ちなみに私自身は、数年前に購入した三菱の「AD-U50-W」をいうモデルを何年も使い続けていますが、
専用のマットを敷くのがちょっと面倒なのですよね。
なので次買うとしたら、以下のようなマットなしで利用できる布団乾燥機を買おうと考えています。
正直、ダニ対策にはマットありの方が、布団の隅々にまで熱を行き渡らせやすいため効果は高いと思います。
ただ利用が面倒だと、使う機会が減ってしまう恐れもありますし、
実際に布団乾燥機で人気があるのはマットなしです。
特に面倒くさがりな方には、使うのが簡単なマットなしの布団乾燥機が便利です。
布団乾燥機を使うのではなく、どうしても布団を外に干したい場合は、以下のようなカバーをかけて干すと良いでしょう。
黒いカバーが太陽光を吸収することによって布団の温度を上げられること、
また花粉などが布団に付着するのを物理的に防ぐ効果があります。
お値段もお手頃です。
布団に掃除機をかけよう
天日干しをしたり布団乾燥機を念入りにかけたからといって、安心はできません。
それらによってダニを退治できたとしても、アレルゲンとなるダニの死骸やフンは布団に残ったままであるため、
ダニアレルギーの人が布団を使ったとしたら症状が出てしまう可能性が高いです。
実際、私は布団乾燥機をかけただけの布団では、アレルギー症状が出ます。
むしろ布団乾燥機による乾燥によって、ダニの死骸やフンが舞い上がりやすくなっている分、よりアレルギーは起こりやすくなっているかもしれません。
天日干しをしたり布団乾燥機を使ったあとは、布団に念入りに掃除機をかけるようにしましょう。
ちなみに今は布団専用の掃除機も販売されていますが、価格がやや高めなものが多い印象があります。
とはいえ布団専用の掃除機には、殺菌のためのUV(紫外線)機能が搭載されていたり、
形状の工夫から布団の掃除が行いやすくなっており、価格なりの価値はあるといえるでしょう。
ただ、布団用の掃除機でないと効果がないかというと、そんなことはありません。
以下のような、一般的な掃除機に取りつけられる布団用アタッチメントを利用すれば、専用の掃除機を買わなくても布団の掃除ができます
私はというと、現在はダイソンのDC61というモデルに布団用の専用ツールをつけて掃除していますが、
以前は普通の掃除機に上記のような布団用のアタッチメントをつけて掃除していました。
ダイソンの方が使いやすく、またダニアレルゲンもよく取れている感じはありますが、
普通の掃除機でも丁寧に掃除すれば問題はありません。
ただし普通の掃除機にアタッチメントを付ける場合、コストが安く済む代わりに、小回りが利かないぶん掃除には手間がかかります。
布団の掃除をする頻度が多いのなら、最初から専用の掃除機を購入した方が利便性の面でよいかもしれません。
個人的には、アタッチメントが豊富なダイソンがおすすめ。
よくいわれるように、吸引力も普通の掃除機とは全然ちがいます。
アタッチメントを付け替えれば布団だけではなく、さまざまな場所の掃除に使えるため、無駄がないところも魅力です。
ダイソン DC61にフトンツールを付けたところ
上記は私が使用しているモデル(DC61)です。
結構前に買ったものですが、現在も販売されています。
リンク先の製品はミニモーターヘッドをはじめ、コンビネーションブラシや隙間ノズル、フトンツールなどあると便利ないくつかのアタッチメントがついており、
布団の掃除にも使うことができるんですよね。
ただし基本的にハンディクリーナーとして利用するものであるため、普通の掃除機としても利用する場合は、別売りのロングパイプ(延長パイプ)が必要です。
布団乾燥機と掃除機のコンビネーションがベスト
布団への掃除機がけは、ダニ対策には非常に効果的です。
ただ、掃除機で取れるのはダニの死骸やフンがほとんどであり、生きたダニはほとんど吸引されません。
ダニが布団の生地の繊維に絡みついているからで、布団をたたいてもダニがほとんど落ちないという理由もそこにあります。
掃除機の吸引力が強ければ、ある程度は吸いこむこともできるかもしれませんが、ダニ対策といえるほどダニを減らすことはできないでしょう。
とはいっても、アレルゲンとなるダニの死骸やフンをきれいに掃除すれば、
生きたダニが残っていたとしてもひどいアレルギーが起こるのは抑えられるはずです。
なので、掃除機だけでも全く効果がないかというとそんなことはないのですが、大元のダニが残ったままでは繁殖は抑えられませんし、
結果、またダニの死骸やフンが蓄積してしまいます。
効率よく布団のダニ対策を行いたいのなら、必ず布団乾燥機(天日干し)と掃除機を組みあわせて利用するようにしましょう。
布団乾燥機で生きたダニの数を減らし、さらに掃除機で死骸やフンを吸い取ることで、
大元のダニだけではなく、ダニアレルゲンも取りのぞくことができます。
もちろん、少数でも布団にダニが残っている限りはまた繁殖するわけで、
布団乾燥機と掃除機で丁寧にダニ退治を行ったとしても、時間が経てばダニアレルゲンはまた増えてきます。
アレルギーを防ぐためにも、布団乾燥機(天日干し)と掃除機は定期的に行うようにしましょう。
定期的にダニ対策を行っていれば、ダニの数を少なく保つことができるはずです。
私自身はこれらをきっちりやっていれば、布団が原因によるダニアレルギーは起きません。
具体的には、1週間に1回くらいのペースで行うようにしています。
1週間に1回やれば大丈夫だといっているわけではなく、
日々のスケジュール的に、これ以上頻繁にやるのは難しいんですよね。
まあでも、私的にはそのペースで問題はないようです。
ダニ対策に最強なのは「布団の丸洗い」
日々のダニ対策には、布団乾燥機と掃除機のコンビネーションがベストだと述べましたが、
もう一つ最強の対策があります。
それは、布団の丸洗いです。
そもそもダニが布団を好むのは、湿気や温度があるだけではなく、人間のフケやアカといったダニのエサが布団に沢山付着しているから。
シーツは定期的に洗いますが、布団を洗うお宅は少ないですよね。
シーツを清潔に保っていたとしても、布団の汚れは少しづつ蓄積していきます。
買ったばかりの布団であっても、半年か1年使用すればかなり汚れが溜まっているそうです。
当然、その汚れを好むダニも繁殖していますし、ダニが元であるダニアレルゲンも蓄積されているはずです。
日頃から、先にあげたような布団乾燥や掃除機をかけているのならまだしも、
どれだけ丁寧にお手入れを行っていたとしても、時間の経過とともに汚れは増えてしまいます。
2~3年以上使っているのなら、相当に汚れているはず。
そこで、布団の丸洗いです。
布団の丸洗いとはその名のとおり、布団を水で丸洗いすることをさしています。
丸洗いすることで表面の汚れを取り去るだけではなく、
布団の中綿にたまった汚れまで落とせるため、ダニやダニアレルゲンの除去には非常に効果的な方法だといえます。
日頃からマメにダニ対策を実践することはもちろんですが、
汚れが蓄積していくことを考えると、1年に1回くらいは布団の丸洗いを行いたいところですね。
ただ、布団を洗うのは重労働です。
特に厚手の布団を自宅で洗うのは、洗濯機の容量の関係などから難しいことがほとんどでしょう。
布団のサイズによってはできないこともありませんが、洗う以上に乾かすのが大変なこと、
また布団をぬれた状態で長く置くとカビや雑菌がわいてしまいますから、自分でやるのはあまりおすすめできません。
そんなわけで布団の丸洗いに関しては、信頼できる業者へ依頼するのが無難です。
ある程度の費用はかかりますが年に1回ほどですし、自宅で布団を洗って乾かす労力を考えると、依頼する価値は十分にあります。
布団丸洗いサービスって何?なんて方には、以下の記事がおすすめ。
記事では、布団丸洗いサービスの中からおすすめの業者をご紹介するとともに、
コストをかけたくないという方向けに、布団洗いを自分で実行する方法についてもお話ししています。
興味をお持ちの方は、あわせてご覧ください。