お値段の安い肉、特に外国産の肉って例外なく硬いものが多いですよね。
そんな肉を柔らかくするために、塩麹やヨーグルト、玉ねぎのすりおろしに漬けこむなど、さまざまな工夫をしている方は少なくないと思います。
確かに浸けこめば肉質は柔らかくなるのですが、調理前に時間をかけて浸けこまなくてはいけないため、とにかく面倒くさいです。
そこで考えたのが、肉を柔らかくする目的の調味料が市販されていないかということ。
外食で安く食べられる肉料理って、安いお肉を特殊な調味料で柔らかくしてあることが少なくないんですよね。
(それをいうと、お米なんかもそうなんですが)
そういうのないかな…と探してみたところ、業務用向けに販売されている食肉改良剤「肉用ミオラ」なるものを発見。
今回は、その「肉用ミオラ」がどういうものなのか、また実際の使い勝手についてお伝えしたいと思います。
お肉を簡単に柔らかくする方法ないのかな?なんて日々お考えの方は、記事に目を通してみてください。
硬い肉が柔らかくなる 肉用ミオラとは?
食肉改良剤…なんてきくと、おかしな添加物であるかのように聞こえますよね。
肉用ミオラとは、いったい何なのでしょうか?
肉用ミオラとは
肉用ミオラは、大塚薬品工業という会社から業務向けに販売されている食肉改良剤です。
もともと、同社は炊飯ミオラと呼ばれる炊飯改良剤を販売しており、それを応用して作った製品なのだとか。
炊飯ミオラは以前からその存在を知っていましたが、正直、変な名前ですよね。
得体の知れない怪しい添加物のような感じもしなくもありませんが、肉用ミオラのお肉を柔らかくする仕組みは「パパインの酵素作用」を利用したものであり、おかしな添加物で肉を軟化させるわけではありません。
そもそも、塩麹や玉ねぎのすりおろしで肉が柔らかくなる仕組みも、酵素の作用を利用したものです。
塩麹や玉ねぎのすりおろしは準備に手間がかかりますが、肉用ミオラは粉末を振りかけるだけであるため、手間を全くかけずにお肉を柔らかくすることができるんです。
とはいっても抵抗を感じる方はいると思いますが、外食をしたり、出来あいのお弁当や加工品を買って食べることがあるのなら、
炊飯ミオラや肉用ミオラのような改良剤が利用された食品を口にしたことは多分あるでしょう。
それくらい一般的なものだということです。
酵素でなぜ肉が柔らかくなるのか
お肉が柔らかくなるのは「酵素」のおかげだと述べましたが、ここでいう酵素とはたんぱく質分解酵素のことを指しています。
私たちが肉や卵などたんぱく質を含む食材を食べたとき、消化器官から分泌される消化液によって肉や卵が消化吸収されることにより、
体のさまざまな箇所で活用されます。
消化液とはさまざまな消化酵素を含む液体の総称で、肉や卵を消化するのはたんぱく質分解酵素です。
たんぱく質分解酵素の作用によって、肉や卵のたんぱく質が細かく分解され、ようやく吸収できるようになるのです。
このたんぱく質分解酵素は消化液に含まれるほか、パパインやキウイのような食べ物に含まれているものもあり、
肉用ミオラにはそういった果物の酵素が配合されています。
肉用ミオラの成分 パパインの酵素が使われている
酵素の働きによって肉に含まれるたんぱく質を分解することで、肉質が柔らかくなるんです。
肉を酵素作用で柔らかくすると、肉の硬さやパサつき感などが改善されて食べやすくなりますし、
たんぱく質が分解されている分だけ消化の負担も軽減されます。
安い肉でも、柔らかくすることでそれなりに美味しく食べられるようになるというわけです。
欠点は、柔らかくしすぎると肉ならではの食感が失われてしまう点で、食べものとは思えない物体に変化してしまうというか、
わかりやすくいうと美味しくなくなってしまいます。
なので使い方には注意する必要があるものの、硬い肉でも食べやすく加工できてしまうのはとても便利です。
肉用ミオラを硬い肉に使うと、どのくらいの時間で柔らかくなる?
肉用ミオラは、肉に均等に付着するように振りかけ、しばらく時間を置くことで肉質を柔らかくします。
例えば、肉を柔らかくするために玉ねぎやヨーグルトのような食品を利用する場合だと、
少なくとも2時間くらいは置かないと肉質が柔らかくなりませんが、肉用ミオラは20~30分もおけばかなり柔らかくなります。
肉の種類や部位・厚みにもよりますが、振りかけるミオラの量によっては30分も置くと柔らかくなりすぎるので、都度調整が必要です。
一応、ミオラのボトルの裏に時間の目安が書かれているのですが、その通りにすると柔らかくなりすぎる気がするというか、肉に応じて臨機応変に変える必要がありそう。
最初のうちはその加減がわからず、柔らかくなりすぎる失敗もありましたが、ミオラの量を少なめに、
置き時間をやや短めにすると私の場合は上手くいきました。
慣れると便利すぎてもう手放せません。
そのままだと硬くてあまり美味しくない、鶏むね肉でも柔らかく調理できてしまうので、使いようによっては経済的だともいえます。
蓋をひらいたところ。
スパイスボトルのような穴が開いているため、肉にまんべんなく振りかけやすいです。
冷凍していた鶏むね肉を解凍し、肉用ミオラをかけてみました。
分かりにくいですが、お砂糖をかけているみたいな感じですね。
味を付ける素材は何も入っていないので、なんらかの味付けが必要です。
写真のお肉は量があまり多くないことと、細かくカットしてあるため、5分くらいおいたら柔らかくなりました。
厚みのあるお肉だと、10分以上は置く必要があると思います。
注意しなくてはならない点として、ミオラは主成分がたんぱく質分解酵素であるため、熱に弱いです。
なので、加熱しながら使うことはできません。
肉を漬け込む段階で使用します。
あと、肉を柔らかくすることはできても味を変えられるわけではないので、肉の味自体がまずい場合は、
柔らかくしたとしてもまずいと思われます。
あくまでも、肉を柔らかくするためのアイテムだということを覚えておきましょう。
肉用ミオラのお値段は?どこで買える?
この肉用ミオラ、一応市販はされているものの、基本的には業務向けの製品であるため、通常のスーパーなどでは見かけたことがありません。
業務用スーパーなどだと置いているところもあるのかもしれませんが、私自身はAmazonで購入しました。
あくまでもネット上の店舗においてはですが、
送料も含めるとどこも2000円代前半くらいのお値段で、大差はありませんでした。
実際の製品は、こんな感じ。
隣りにあるボトルはサイズ比較で置いてます
結構大きくて持ちづらい
500gのボトルです。
本音をいうともう少し小容量が良かったのですが、やはり家庭向けの製品ではないためか、小容量ボトルって提供されていないようなのですよね。
100gの生肉に1g程度の利用ですから、相当持ちます。
家族構成にもよりますが、毎日使ったとしても1年以上持つのではないでしょうか。
かなりコストパフォーマンスが高いです。
他の方の評価も「長持ちする」「本当に柔らかくなる」など、なかなかいい感じでした。
近所のスーパーで買える食肉軟化剤(食肉改良剤)はないの?
ここまでご紹介してきた肉用ミオラ、硬い肉を柔らかくできるのは良いけどちょっと量が多すぎる、いきなり大容量を買うのは怖い…なんて方もおられると思います。
そんな場合には、市販されている酵素入りの調味料を使うと良いでしょう。
一応、市販されているものもあるんです。
といっても、ミオラのように酵素製材というよりは、あくまでも味つけのための「調味料」という位置付けではあるのですが。
こちらは味の素の「お肉やわらかの素」。
わかりやすいネーミングですよね。
塩やペッパーなどの調味料の他、酵素が配合されています。
ある程度厚みのある肉でも、5~10分ほど常温でおけば柔らかくなります。
こちらはオーマイのから揚げ粉。
パッケージに、お肉やわらかというキャッチが入っているのが見えるでしょうか。
原材料名をみると、やはり酵素の記載があります。
一応断っておくと、普通のから揚げ粉には「酵素」は配合されていないことがほとんどです。
他にも使った調味料はいくつかありますが、一番上手く活用できたのは最初にご紹介した「お肉柔らかのもと」ですね。
コスパも結構いいです。
でも、私は肉用ミオラの方がつかいやすいんですよね。
理由については次項をお読みください。
市販の「酵素入り調味料」と「肉用ミオラ」の違いは味が付くか付かないか
市販の酵素入り調味料、家庭で利用するには手軽でよいのですが、
私がこれまでに確認した限りでは、市販の酵素入り調味料はどれもしっかり味がついているため、
汎用性が低いというデメリットがあります。
あとから味つけする酢豚とか、煮物にいれる肉などには使いにくいんですよね。
使えないことはないのですが味が濃くなってしまいます。
味付けの手間が省けるというメリットはあるかもしれませんが、
塩分を控えたい方や、色んな料理に酵素を活用したい方には向きません。
そういう方には肉用ミオラがおススメです。
肉用ミオラは味が全くついていないので、幅広い肉料理に利用できます。
私がミオラを購入したのも、自由に味つけできるという理由が大きいです。
最後に
今回ご紹介した肉用ミオラ、1ボトルあたりの量はかなり多めでお値段もそこそこですが、
どれだけ持つかを考えるとコストパフォーマンスは相当良いので、興味をお持ちの方は試してみてください。
鶏むね肉のような安いお肉も簡単に柔らかくなるため、上手く使えば食費の節約もできるのではないでしょうか。
硬いものが噛めない方向けの食事作りにもおすすめです。