紫外線対策というと、外出時に日傘や帽子、腕カバーを利用したり、日焼け止めを塗るような対策を思い浮かべる方が多いですが、一日家にこもって過ごす日はどうでしょうか?
自宅では紫外線対策を行わないことはもちろん、人によってはメイクすら一切しない、なんて場合もあるでしょう。
当然ですが屋内で過ごす場合に、外出時と同じような紫外線対策を行う必要ありません。
ですが、自宅の立地条件や部屋の場所、窓の位置によっては、屋内の紫外線量って結構バカにできないんですよね。特にUVAに関しては。
もちろん日焼けしてしまうことはないでしょうけれど、だからこそ、気づかない紫外線による肌ダメージに気づきにくかったりします。ひょっとすると、10年後のシミやしわの原因になるかもしれないのに…。
今回は、屋内での紫外線対策の必要性と、手軽にできる紫外線対策について解説します。
屋内で注意が必要なのはUV-A(紫外線A波)
ほとんどのお宅では屋内であっても、窓から多少なりとも外光が入ってくるようになっているのではないでしょうか?
直射日光がさしこむことがなくても、光が入る窓があるのなら紫外線も入ってきています。
そんなの大したことないのでは?と思われる方もおられるかもしれませんが、
日中、室内のライトを付けなくても過ごせるくらい明るいのなら、紫外線量もバカにできないと考えた方がよいでしょう。
特にUV-A(紫外線A波)の影響は無視できません。
以下をご覧ください。
以下は、太陽光の中に含まれる紫外線の種類です。
【UV-A(紫外線A波)】
315~380nmの波長を持つ紫外線。
その波長の長さゆえに物質を透過しやすい性質を持っています。
地上に降り注ぐ多くの紫外線はUV-Aです。
UV-B程のエネルギーはないものの、長期間あびることで肌深くにダメージを与えます。
【UV-B(紫外線B波)】
280~315nmの波長を持つ紫外線。
物質を透過しづらい性質によって地表に降り注ぐのはほんのわずかですが、
非常に強いエネルギーを持っているため、短時間あびただけでも大きな肌ダメージを受けてしまいます。
【UV-C(紫外線C波)】
280nm未満の紫外線。
非常に破壊力の高い紫外線ですが、オゾン層で遮られるため通常は地表にまでは到達しません。
ただし今後オゾン層が破壊されることによる、UV-Cの影響が懸念されています。
主に紫外線対策でとりあげられることが多いのはUV-AとUV-Bで、
ほかにUV-Cと呼ばれる紫外線も存在しますが、今のところは私たちには影響がないため気にしなくてもよいでしょう。
このUV-AとUV-Bですが、肌の日焼けの原因となるのはUV-Bの方です。
海やプールで1日太陽を浴びて、肌が真っ黒に日焼けしてしまった経験をお持ちの方は多いのではと思われますが、あれはUV-Bの仕業です。
UV-Bは非常にエネルギーが強く、短時間あびただけでも肌に炎症を起こすほどの影響力を持っています。
ただし物質を通過しづらい性質があるため、曇や窓ガラス、カーテンなど物理的に遮るものがあれば、その影響力は目に見えて小さくなります。
一方でUV-A。
こちらはUV-B程のエネルギーを持ってはいませんが、長期間浴び続けることで肌の深部にダメージを与え、
シミやしわの原因になるといわれています。
なので、肌のことを考えるのならUV-Bと同様に対策が必要です。
鬱陶しいことにこのUV-Bという紫外線は、波長が長く物質を透過しやすい性質があるため、
曇や窓ガラス、カーテンなどがあっても透過してしまうのですよね。
ということは、曇った日でも結構な量のUV-Aが降り注いていることはもちろん、
屋内であってもUV-Aは入りこんできているということなんです。
曇りの日や屋内にいる場合だと、日焼けしないという安心感から紫外線対策もおろそかになりやすいですが、
日焼けはしないものの、UV-Aを浴び続けていることには変わりありません。
せっかく日頃からスキンケアに力を入れているのにも関わらず、
知らず知らずの間に、紫外線の影響をうけてしまっているとしたら目も当てられませんよね。
外出時ほどではないものの、屋内にいても紫外線対策は必要です。
UV-Aの肌への影響とは?
UV-Bは物質を透過しづらいため、屋内にいるのならあまり気にする必要がありませんが、
UV-Aは物質を透過しやすいため、屋内にいても影響を受けてしまう可能性があります。
よく、長期間あび続けることでシミやしわができる原因に…などと言われることが多いですが、
具体的にどのようなダメージを肌に与えるのでしょうか?
UV-Bが主に肌表面にダメージを与えるのに対し、
UV-Aは透過率の高さより、肌の奥にある真皮にまで到達してダメージを与えます。
真皮には、肌のハリや弾力のもととなっているコラーゲンやエラスチンが存在しますが、
UV-Aを浴び続けることでそのコラーゲンやエラスチンを破壊してしまうんです。
コラーゲンやエラスチンが破壊されると、真皮の構造が崩れて真皮がたるんだり、
凸凹とした溝ができやすくなります。
その程度がひどくなると、肌の表面にもしわとなって表れてくるんです。
もちろん、肌にダメージを与えることで活性酸素を発生させ、
メラニンが過剰に生成されるようになれば、シミの原因にもなりえます。
外出時の紫外線対策を徹底しているのにも関わらず、
屋内で無防備でいたばかりにUV-Aに長期間さらされていたとしたら… 考えただけでも恐ろしいですよね。
室内の紫外線レベルをチェックしてみよう
屋内でも紫外線対策は欠かせないとはいっても、環境によって紫外線レベルには当然ながら差があります。
自宅のリビングはどうなんだろう?紫外線対策を行う必要はあるのかな?なんて、疑問に思われた方もいるかもしれません。
日当たりがよく窓の多い室内では、紫外線レベルも高くなりがちですが、
逆に日当たりが悪く、日中でもライトを点けなくては活動に支障がでるくらいの室内では、紫外線レベルは低いはずです。
日中、ライトなしでも明るいと感じるくらいの明るさであるのなら、紫外線対策は行った方が良いですが、
判断がつかない場合は市販の紫外線チェッカーを利用してみると良いでしょう。
紫外線チェッカーとは、紫外線を測定するための機器です。
測定場所のおおよその紫外線レベルを把握できます。
難点は、価格が安いものだと精度も低くなってしまう点ですが、
紫外線が弱いか、普通か、強いかくらいの目安にすることはできます。
色んな場所で過ごす方は、都度測定してみると面白いかもしれません。
上記2つ目にご紹介しているのは歩数計の機能がメインの製品ですが、UVインデックスの表示があるため、紫外線量の参考にできます。
移動が多い場合は、持ち運びが手軽なタイプがおすすめです。
簡単にできる屋内の紫外線対策
外出時だけではなく、屋内にいる場合でも紫外線対策は必要ですが、
なにも外出時と同じレベルで対策しなくてはならないわけではありません。
簡単にできる紫外線対策をとりいれましょう。
窓やカーテンに紫外線対策グッズをとりいれる
紫外線の肌へ影響を防ぎたいのなら、日焼け止めを塗るのが手っ取り早いのですが、
日焼け止めだって肌にはあまりよいものではありません。
それに、毎日塗るのは結構大変ですよね。
そんな方にお勧めしたいのが、窓やカーテンに紫外線対策グッズをとりいれるという方法です。
紫外線は、当然ながら外光が差し込むところから入ってきます。
ベランダのガラス扉であったり、窓が多い部屋もそれに比例して紫外線量が多くなると考えられます。
その窓や扉に紫外線カット用のグッズを用いることで、
入ってくる紫外線自体をかっとしてしまおうという方法です。
屋内ではいつもすっぴん…なんて方には良いですね。
短所は、準備が面倒くさいこと。
例えば、紫外線カット用のグッズというと「紫外線カットフィルム」や「紫外線カット加工を施したカーテン」
等がありますが、カットフィルムって結構貼るのが大変なんですよね。
ステンドグラスのような綺麗なデザインのフィルムも多く売られているため、
そういうインテリアを考えるのが好きな方には面白い作業かもしれませんが、貼るのは一仕事です。
あと紫外線カットのカーテンは、生地によっては部屋を暗くしてしまいます。
かといって、あまりに薄手すぎると紫外線を多く通してしまうため、その程度の見極めが重要になってきます。
ただ、一度とりいれれば長期間利用できるため、
毎日屋内で紫外線対策を行うのは面倒なんて方には、悪くないはずです。
日焼け止めパウダー(UVパウダー)をはたく
毎日メイクをしたり日焼け止めを塗るのは大変…なんて場合は、
日焼け止めパウダーをはたいておいてはいかがでしょうか。
パウダーとはいってもファンデとは異なり、カバー力はあまりないものがほとんど。色がつくタイプよりも、色がつかないタイプが簡単に使えて便利です。
メイクや日焼け止めほどの紫外線カット力はありませんが、朝、スキンケア後に顔や首筋にポンポンとはたいておくのを習慣にすれば、
それほど苦労なく屋内での紫外線対策が行えます。
製品にもよりますが、たいていのパウダーは落としやすくできているため、肌への負担も通常の日焼け止めやファンデほど大きくはありません。
比較的手ごろなものが多いこと、また通常のメイク時のおしろいとしても使えますので、1つくらい持っておいても損はないと思います。
以上、屋内で簡単に行える紫外線対策でした。
UV-Aの影響によるシミやしわは、忘れたころにやってきます。
そもそも肌の老化って、80%近くが光老化によるもの(紫外線によるもの)なのだそうで、まめに紫外線に気をつけることは肌の老化を予防することにもつながります。
外出時だけではなく、屋内での紫外線対策にも目を向けてみてください。