精油を買うとき、何を見て購入していますか?
種類はもちろんですが、その次に多くの方が見るのは値段でしょうか。それとも原産国でしょうか?
あまり確認しないで購入する方もおられるかもしれませんね。
こだわりがないなら、べつにそれでも良いと思います。
しかし、その精油の用途によっては、ある程度こだわった方が良い場合もあります。
あと、精油は誰でも気軽に利用できるものですが、成分が濃縮されたオイルなだけに取り扱いには注意が必要。
適当に使えるものではないんですよね。
特に妊娠中の方が使う場合や、小さいお子さんがおられる場合には、頭に入れておかなくてはならない知識があります。
というわけで今回は、精油の選び方と正しい使い方について解説します。
精油(エッセンシャルオイル)を買う時に必ず確認したいこと
精油を購入する場合は、以下の点について確認しましょう。
・お値段は安すぎませんか?
・原産国はどこ?
・抽出元となる植物は無農薬でしょうか?それとも農薬を使って育てられたもの?
・学名は書かれていますか?
・どのような抽出法で抽出されていますか?また抽出部位は?
上記の点について、全てこだわらなくてはならないわけではありません。
品質にこだわるのなら、オーガニック認定を受けた精油をおすすめしますが、
別にオーガニックでなくても良いという方もいるでしょうし、香りを楽しむだけだから品質にはこだわらないという方もいるでしょう。
しかし最低限、値段が安すぎないかくらいはチェックしたいところです。
あと、特に肌に直接使う精油はやはりオーガニックが安心です。
価格は高めになりますが、高価な化粧品を買うことを考えればそれほどでもないでしょう。
以下をご覧ください。
値段を見る
お値段は重要です。
つい安いものに目がいってしまう方もおられると思いますが、あまりにも値段は安すぎるものは選ばない方が無難。
ちゃんとした精油はそれなりの価格になります。
どれくらいの価格…とは一概に言えませんが、あまりにも安すぎるものは精油ではないかもしれません。
特に、100円均一などで販売されている一見精油のように見えるオイルは、精油ではないことがほとんどであるためご注意ください。
原産国や学名、抽出部位を見る
精油は天然の植物から抽出されたものですが、同じ植物でも栽培される地域によって含まれる成分が異なるため、
抽出された精油の香りや成分も違ってくるのですよね。
あと、抽出する部位によっても、香りや含まれる成分が異なります。
一見同じに見える精油でも、光毒性のあるもの・ないものがあるなど、性質が違ってくるんです。
なので、○○に使いたい…なんて目的があってその精油を購入するのなら、原産国や抽出部位は無視できません。
パッケージに記載されている学名は、その精油が何であるのかを見分けるために役立ちます。
例えば同じユーカリオイルでも種類が沢山あり、目的によって選びたい種類が変わってきますので、
こだわりがある場合は確認するようにしましょう。
例: ユーカリオイルの種類(学名)
・Eucalyptus globulus
・Eucalyptus dives
・Eucalyptus smithii
・Eucalyptus citriodora
・Eucalyptus staigeriana
…他
上記でもっとも一般的なのは、一番上のユーカリ・グロブルス。
全ての精油に、原産国や学名のような情報が記載されているわけではありませんが、
きちんとした精油であれば、大抵はパッケージのどこか(もしくは製品ページ)に記載があるはずです。
特に肌に触れる場合は、どこ由来かわからない、詳細が全くわからない精油は避けた方が無難です。
それ、エッセンシャルオイルですか?
一部の店頭ではエッセンシャルオイル風を謳っていながら、置いてある精油らしきものをよく見ると、100%天然のエッセンシャルオイルではないことがあります。
よく見て購入する方であれば間違いはありませんが、
中には精油にあまり詳しくはなく、内容を確認せず購入される方もおられるでしょう。
肌に使いたいと思って購入した精油に、合成の香料なんて使われていたとしたらショックですよね。きれいになるどころか、害となるかもしれません。
専門店ではないお店で精油を購入する際は、精油のパッケージなどにかかれた内容に必ず目を通すようにしましょう。
精油を利用する際にしてはいけないこと
精油って天然の植物由来であるために、化学合成された成分をつかったアイテムよりも優しいイメージがあります。
しかし、天然の植物の成分をこれでもかというくらいに濃縮しているものであるため、普通なら何の害もない植物であっても害となる場合があり、
適当に扱ってもよいものではないんですよね。
特に小さい子供さんがおられるご家庭は、管理に注意が必要です
精油の原液を飲用してはいけません
当然ですが、精油の原液を飲用してはいけません。
精油を口にれるわけない…なんて思われる方もおられるかもしれませんが、
中には精油を水で薄めたものをマウスウォッシュとして利用する場合もあり、絶対に口にしないかというとそんなことはないのですよね。
まあ薄めた精油なら、誤って飲んでも毒性も低いとは思われますが原液は危険です。
精油は決しておいしいものではないため、大人ならそんなものを飲んでしまうことはまずないと思いますが、子供は時に考えられない行動をとります。
勢いで飲んでしまうなんてことがあるかもしれないため、できるだけ子供の手の届かないところに保管しておくようにしましょう。
原液を肌に直接塗らないで
精油は成分が高濃度に含まれたオイルであるため、直接肌に塗るのは刺激が強すぎます。
原液を肌に塗布することで炎症を起こす可能性もあるため、肌に利用する場合にはオイルで希釈したり、化粧水などにして薄めて利用するのが原則です。
なお、ティーツリーやラベンダーなどは、原液を肌に塗布できる精油だといわれています。
確かにその通りなのですが、それでも塗り方や量によっては刺激はあること、またアレルギーがある可能性もあるため、
最初から沢山使用しないようにしましょう。
乳幼児には使用を控えて
精油は体や心に影響を与えるもの。
乳幼児には刺激が強すぎる可能性があります。
肌に利用しないことはもちろん、芳香浴をする場合にも、精油の利用量を控えめにしてください。
ちなみに一般的には「3歳未満の乳児・幼児には、芳香浴以外は行わないように」といわれていますが、
明確に害があるからダメとされているわけではありません。
実際、0歳児でも使えるスキンケアアイテムに精油が配合されているものも見かけます。
とはいっても、子供にとって過剰な刺激は良いものではありません。
3歳児以下に芳香浴を行う場合は低濃度かつ、たまに利用する程度にとどめておきましょう。
妊婦さんの利用に注意
精油は薬ではありませんが、心や体に大なり小なりのインパクトをもたらします。
妊娠中の方や持病をお持ちの方など、通常とは体の状態が異なる方が利用するのは控えた方が良いでしょう。
特に妊娠初期は、精油の利用は禁止です。
また安定期以降も、芳香浴程度に留めておいた方が安心です。
エストロゲン作用や生理を促す作用、子宮の収縮を促す作用がある精油、胎児に影響を与えるかもしれない精油に関しては、
妊娠中の方は使用しない方が無難です。
【妊娠中に使わない方が良い精油の例】
・クラリセージ
・カレンデュラ
・シナモン
・ジャスミン
・カモミールローマン&ジャーマン
・フェンネル
・ナツメグ
・メリッサ
・ラベンダー
・ローズ
・ローズマリー
・レモングラス
・ユーカリレモン
・パルマローザ
上記以外にも、使わない方が良いとされる精油はありますが、その選別って人によって結構曖昧だったりします。
あっちでダメといわれている精油が、こっちでOKとなっていたりする場合もあるのですよね。
良い悪いにかかわらず、刺激が強いと感じる精油は避けるようにしたほうが良いですが、
健康な妊婦さんが芳香浴をたまに行う程度であれば、そこまで神経質になる必要はないでしょう。
精油を肌に利用する場合の薄め方について解説
基本的に精油を肌に利用する場合は、オイルなどで希釈して利用します。
その際の濃度ですが、利用する精油によって違いはあるものの、安全なのは全体量の1%以下。用途により1~5%程度が適当だと言われています。
私自身は、オイルに精油を混ぜる場合には、大抵1~2%程度に薄めるようにしていますが、
初めて利用される方などは、適当だといわれる分量よりも薄めに希釈した方が良いでしょう。
肌質によっては刺激を感じたり、成分にアレルギーがある場合もあるからです。
使ってみて大丈夫そうだったら、量を増やしても問題ありません。
以下、薄め方のコツについてまとめました。
利用するベースオイルについて
ベースとなるオイルについては、一概にこれといったものはなく、基本的には好みのものを利用するのがベター。
個人的におすすめなのは、比較的手に入りやすく酸化しにくいホホバオイル、マカデミアナッツオイル、オリーブオイルなどでしょうか。
さらっとした使い心地のアボカドオイルなどもお勧めです。
オイルによって肌にあわなかったり、べたつきが強く使いづらいものもあるため、できれば肌に使い慣れたオイルが良いです。
注意点として、オイルは開封すると酸化が始まるため、開封したら早めに使い切るようにしましょう。保管場所にも気を付けてください。
加える精油の量を簡単に調整する方法
オイルに精油をブレンドする際のコツは、0.1g単位などで細かくはかれる精密なスケールを利用するのも良いですが、簡単なのは滴下数ではかる方法。
ドロッパーから出る精油1滴の分量をもとめ、何滴加えたかで分量をはかります。
多くの本では、ドロッパーから出る精油の量を0.05mlとしていることが多いですが、
精油ボトルのドロッパーの種類によって1滴の分量が異なるため、最初に何滴か落としてみて把握しておくようにしましょう。
このやり方だと、ブレンドオイルを作る際にいちいち測定しなくて済むため、手間がありません。
例えばベースとなるオイルが50mlの場合、精油濃度1%にするのなら精油を10滴加える、という具合。2%なら20滴です。
余談としてウェブを見ていると、あきらかに精油の利用量が多すぎると思われるような記述を見かけたりしますが、
精油は使いすぎると肌に炎症をおこしたり、アレルギーの原因にもなりかねません。
先にも書いたように、用途によって1~5%以下に留めるようにしましょう。