ここ15年以上、暖房はオイルヒーターかエアコンのみだった私。
どちらも電気代がかかるといわれる暖房器具ですが、手間なく使える手軽さもあって、特に何も考えずにずっとそうしてきたんですよね。
今冬もそうするつもりでしたが、
今年は暖冬でエアコンを使う機会がなかなかなかったんです。
そうしているうちにふと、こたつでゲームや読書ができたらよいかもと考えが浮かんで早速導入してみたところ、
電気代が下がるという副次的なメリットが得られたというわけです。
こたつは消費電力が低く省エネな家電だといわれますが、実際に試してみたことがなかったのでその効果には驚きました。
というわけで今回は導入したこたつと、一体どのくらい電気代が下がったのかについてお話しします。
こたつを導入とはいってもこたつを丸ごと買ったわけではない
以前より、自宅にはこたつとして使える机がありましたが、買ってから一度も使ったことがありませんでした。
使わなかったのはこたつ布団で散らかる&掃除がしづらいのが嫌だったのと、エアコンをつけているから必要がないという単純な理由です。
今回、そのままそのこたつを使用するということも考えたのですが、
さすがに買ってから何年も経っているこたつ机ですから、使っていなくてもヒーターの劣化が気になります。
それ以前に、コントローラーや電源ケーブルがどこかにいってしまってないという… 多分引越しの時に捨てたのだと思われます。
なので買い直しを検討。
連れは、今使っている机を捨てて買い直そうと言いましたが、
結構高かったこたつ机ですし、傷などもあまりなくきれいなので捨てるには忍びません。
調べてみると、こたつのヒーターのみを新品に変えられるということだったので、
ヒーターのみを買い直すことにしたのでした。
ヒーターだけだとものにもよりますが、5000~6000円程度で買えます。
こたつのヒーターにはさまざまな種類がある
今回調べてみて知ったことですが、こたつのヒーターには様々な種類が存在します。
ヒーターの種類によって消費電力が異なること、また暖かさや機能も異なるため、
選ぶ際には注意が必要です。
こたつのヒーターの主な種類
以下、最近販売されているこたつのヒーターの種類についてまとめてみました。
ハロゲンヒーター
近~中赤外線の放出が多いヒーターです。
即暖性が高いこと、またヒーター自体が安く寿命も8000時間と長め。
石英管ヒーター
昔ながらの遠赤外線タイプのヒーターです。
暖かくなるまでの時間がやや遅いですが、体の芯まで暖まりやすいというメリットがあります。ヒーター自体も安価。寿命は7000時間ほど。
フラットヒーター
カーペットのような薄型のヒーターで、広い範囲を温められます。足があたらず使いやすいこと、また消費電力が低く省エネですが、暖まるまでに時間がかかります。
コルチェヒーター
ハロゲンヒーターの高性能版ヒーター。
ヒーター自体は高めですが、即暖性が高いというメリットがあります。寿命も10,000時間と、ヒーターの中ではかなり長いです。
カーボンヒーター
こたつの中では遠赤外線効果が特に高く、また即暖性にも優れます。
寿命が長いというメリットも。
昔ながらのこたつのヒーターというとハロゲンや石英管で、ほどほどに暖まりやすく寿命も長く、さらには価格が安いというメリットがあります。
また、コルチェやカーボンヒーターは新しいタイプで、いずれも暖まるのが早く寿命が長いという特徴があります。
価格は若干高いようですが、長く快適に使えるのならコスパは高いといえるでしょう。
そしてフラットヒーター。
フラットヒーターとは、いわゆるホットカーペットのような形状のヒーターで、
こたつならではの内側のでっぱりが嫌な方には、このタイプがおススメです。
薄いために足元の邪魔にならないこと、また暖める範囲が広く均一に暖まるという特徴があります。
加えて消費電力も、他のヒーターに比べるとかなり低いです。
ただ消費電力が低い分、こたつらしい暖かさというよりは柔らかい暖かさになるようで、寒がりな人には向かないかもしれません。
個人的にはフラットヒーター以外ならどれでもよいと思う
さまざまな種類があるこたつのヒーターですが、特にこだわりがないのならどれを選んでも良いと思います。
最初からこの種類、と決めてしまうのではなく、
同じ種類のヒーターでもワット数によって暖かさや消費電力は変わりますし、
ファン付きやタイマー付きなど機能の違いもありますから、実際に購入する時にはヒーターの特徴を考慮して決めるのがベターだといえるでしょう。
あと寿命が長いヒーターの方がコスパが高く感じられますが、
こたつの寿命は使い方によって大きく変わるため、寿命が長いといわれるヒーターでも早く壊れない保証があるわけではありません。
なので寿命に関しては、あまり気にしなくても良いでしょう。
なお、フラットヒーターは消費電力が低い分(150W~)、人によってはあまり暖かくないと感じられる可能性があります。
消費電力が低いということは電気代がかからないということでもあり、良さそうに思えるかもしれませんが、
例えば500Wのこたつであっても弱で運転すれば消費電力は抑えられます。
寒ければ強で運転、それ以外では弱で運転という具合に調整して使えば消費電力は大きくはならないんですよね。
フラットヒーターは低消費電力かもしれませんが、満足できる暖かさが得られない可能性があり、その場合にほかの暖房器具を使ってしまっては省エネにはなりません。
省スペース重視であるのならともかく、暖かさ重視の方は他のヒーターを選んだ方が良いと思います。
私自身は、
・遠赤外線の放出量が多い(体の芯まで暖まる)
・安価
・ほどほどに長い寿命
という理由より、石英管ヒーターを選びました。
消し忘れが多い方は、タイマー付きのヒーターを選ぶのをおすすめします。
こたつのヒーターを取り替えてみた 注意する点はヒーターのサイズ
というわけでヒーターを購入し、こたつに取り付けることに。
今回購入したのは、メトロ電気工業が製造する「MSU-601E(K)」というU字形石英管タイプのヒーターです。
もともと自宅にあったこたつ机に、メトロ電気工業のヒーターが使われていたんですよね。なので、その後継モデルを選びました。
Amazonで6000円ほど。
安いだけでなく、ユーザー評価もそこそこ高いんですよね。
消費電力は最大600Wと、こたつのヒーターとしては強力です。
いろいろと特徴が書かれていますが、薄型設計であること、取り付けが簡単であること、
また本体とコードの両方にヒューズがついており、安心して使える点がポイントです。
中身。
ヒーター本体に、電源コードやコントローラー、ネジやスペーサーといった部品、取扱説明書という内容です。
ネジやスペーサーは、ヒーターをこたつに取り付ける際に利用するものです。
というわけで早速取り付けてみました。
取りつけ自体はとても簡単です。
ですが、サイズに気を付けなくてはなりません。
机の内側にあるヒーター取り付け用の木枠のサイズによっては、ヒーターのサイズやネジ穴の位置があわない可能性があります。
購入前に、お持ちの机にあるヒーターの木枠サイズやネジ穴の位置を確認しましょう。
今回購入したヒーターだと、木枠内サイズが29×29cm、29×33cm、33×33cm(33㎝×33㎝の場合は同梱のスペーサーを使用)の場合に取り付けられるようでした。
あと、ヒーターの上部とこたつ布団の間に「ハードボード(※)」が必ず挟まるようにしなくてはならないため、
ハードボードがあるかどうかも確認してください。大抵のこたつ机にはあると思います。
※ヒーターとこたつ布団の間に挟む、遮熱するための板。ないと火災の危険があります。
サイズさえあったものを選べば、あとは簡単。
木枠内にヒーターを入れて、ネジ穴にあわせてドライバーでネジを締めるだけで、こたつが完成します。
木枠内にヒーターをはめ込み…
左右からネジを締めます。
拍子抜けするくらい簡単でした。新しいこたつ、買わなくてよかった。
ついでに、こたつ布団もなかったので買いました。
分厚い布団タイプだとダニの発生が気になることと、埃が出やすいこと、シーズンごとの準備が大変なため、
マイクロファイバー製の薄手のこたつ布団を購入。(以下のような商品)
薄手なので丸洗いしやすいですし、省スペースです。
分厚い布団タイプの方が暖かさは上だと思いますが、
薄手の布団でも特に寒いとは感じないため問題ありません。
というか、ヒーター「弱」でもしばらくこたつに入っていると暑くなってきます。
真冬の電気代はどの程度下がったのか
肝心の電気代についてお話しします。
今年は全くエアコンをつけず、気温が下がる夜はこたつに入って過ごすようにしていたら、あたり前かもしれませんが電気代がさがりました。
もともとうちはリビングが南向きであることと、
マンションの上階で日が差し込むため、真冬でも日中の室内はかなり暖かいんですよね。
晴れると暑いくらいの時もあります。
加えて、今年は暖冬であったためにエアコンなしでも日中は暖かく、
電気代が下がったのは本当にこたつしか使わずに済んだためでしょう。
今冬の暖房の使い方はこんな感じだった
これまでの冬と、今冬の暖房の使い方は以下のような感じでした。
【2017~2018年の冬】
・エアコンを朝晩(温度は自動/午前6時~10時、午後は17~23時くらいまで)
【2018~2019年の冬】
・夜のこたつのみ(弱で運転/午後19時ごろ~午後22時くらいまで)
もちろん日やその時のスケジュールによって変わってきますが、平日で外出がない時は上記のような感じになることが多いです。
ちなみにいつも使っているエアコンは、シャープ製の「AY-B40VX」という14畳クラスの大型タイプです。
他の部屋にも小型のエアコンを設置していますが、私がリビングで過ごすことが多いので、必然的にこのエアコンばかりを使うことになっています。
省エネ性能はそこそこ高いタイプですが、念のため…ということで以下の式を利用して、自宅のエアコンの電気代を計算してみてみました。
【電気代を求める式】
消費電力(W) × 1日の使用時間(h) × 電力使用量料金(kWh) ÷ 1000
・自宅のエアコンの暖房時消費電力 1320W
・1日の使用時間 約10時間
・電力使用量料金(1kWh) 23.24円~23.45円(23.3円で計算)
1日あたり307.56円、月にして9226.8円という数字が出ました。
ただ、エアコンの消費電力が大きいのは運転開始直後のみであり、平常時は消費電力が抑えられるため、
実際の電気代は上記よりももっと少ない印象です。
とはいえ、ややこしくなるのでこの数字で考えると、
1時間あたり約31円程度。
色々なサイトで紹介されているエアコンの電気代と同じような数字であり、まあこんなものなのだと思います。
一方でこたつはというと、今回購入したヒーターの仕様に記載の数字をそのままあげると、
弱運転での1時間あたりの電気代は約1.9円、強運転で1時間あたり約4.9円と大幅に低いことがわかります。
今回購入したこたつヒーターの仕様
まとめると以下のような感じに。
【運転1時間あたりの電気代のめやす】
・エアコン 最大約31円
・こたつ(弱) 約1.9円
・こたつ(強) 約4.9円
エアコンの電気代が上記よりも少ないとしても、こたつほど省エネではないことが仕様からもわかります。
私の家の3年間(2017年~2019年)の12月~2月の電気代を比較
以下、自宅のここ3年間(2017年~2019年)の12月~2月の電気代を表にまとめてみました。
その年の気候によってある程度前後はするものの、冬の電気代のピークがその3か月間にくることが多いため、
この期間としました。
3年間の12~2月の電気代比較(単位は円)
【2017年(2016~2017)】
12月 9,429
1月 8,606
2月 9,868
【2018年(2017~2018)】
12月 8,456
1月 10,601
2月 10,426
【2019年(2018~2019)】
12月 6,917
1月 7,503
2月 7,035
2017年の電気代と2019年の電気代を比較した場合、平均して月2000円以上は安く、また2018年と2019年を比較した場合、
平均して月2500円以上は安くなっていることがわかります。
月にしてみるとそれほど大きな価格差ではありませんが、1シーズンで考えると大きいですよね。
暖房以外の電気の使い方は変わっていないと思われるため、今冬の電気料金の変化は、単純に暖房の使い方を変えたことによるものの影響のみだといえます。
最後に
使っている時間の割にはエアコンも省エネだという印象ですが、こたつほどではありませんし、
エアコンではこたつのような芯から暖まる感覚は得にくいんですよね。
また空気が乾燥するため、加湿器が必要になるところもデメリットです。
その点、こたつは頭寒足熱で健康に良さそうですし、エアコンのように空気を乾燥させないために快適に過ごしやすいです。
来年の気候によってはエアコンなしで行けるかはわかりませんが、
こたつが快適&省エネだということを再確認したため、来年も活用していこうと思います。