ビタミンB群とは、8種類のビタミンB(B1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6、B12、葉酸、ビオチン)の総称です。
ビタミンBの種類によって働きが異なるのにもかかわらず、
ビタミンB群とまとめられることが多いのは、基本は複合体である「ビタミンB群」の形で摂るのが一般的だからでしょう。
ビタミンBはお互いに助けあって働く性質を持っているため、
「ビタミンB群」の形で摂取した方が効率が良いのですよね。
なので市販されているビタミンBサプリメントも、複数のビタミンBを組み合わせて配合したものがほとんどです。
ただ、個々の状況や生活の仕方によっては個別に摂りたい場合もあります。
私の場合だと、ビタミンB1とB6、ナイアシンがそれにあたるでしょうか。
ビタミンB群にあわせて、それらのサプリメントを個別に摂るようにしています。
特に欠かせないのはビタミンB1。
ビタミンB1は、糖質からエネルギーを作り出すのに必要な水溶性ビタミンで、
不足すると糖質がエネルギーに変換されにくくなるため、疲れやすくなったり、食欲不振やだるさなどの症状が出やすくなります。
よく動く人、また糖質をたくさん食べる人には、必須の栄養素です。
今回は、iHerbで販売されているビタミンB1サプリメントの中より、私が実際に使用してみて良いと感じた製品をご紹介します。
ビタミンB1とはどんなビタミン?
はじめに、ビタミンB1について簡単に説明しておきます。
知っているよという方は、読み飛ばしてください。
なぜ、ビタミンB1が不足すると疲れやすくなるのか
疲労にはさまざまな原因がありますが、その原因の一つにビタミンB1の不足があげられます。
もちろんビタミンB1不足以外の要因もありますが、
疲れたりだるさを感じているときには、ビタミンB1が足りないことによるエネルギー不足が原因として考えられます。
ビタミンB1が足りないために、エネルギーの産生に関与する代謝がスムーズに行われにくくなっている可能性があるんですね。
体内でエネルギーを産生するための代謝の1つに「解糖系」と呼ばれる反応があります。
「解糖系」とは、ブドウ糖(グルコース)がピルビン酸という物質になるまでの代謝経路で、
そこで作られた「ピルビン酸」がビタミンB1の働きによって「アセチルCoA」という物質へと変わります。
そのアセチルCoAが、TCAサイクル(クエン酸回路とも呼ばれる)に入って代謝されることにより、エネルギーが作りだされます。
ブドウ糖(グルコース)
↓
ピルビン酸
↓
↓ここでビタミンB1が必要
↓
アセチルCoA
↓
TCAサイクルでエネルギーが作り出される
ものすごく簡略化していますが、ビタミンB1が足りないとピルビン酸がアセチルCoAにうまく変換されずにエネルギー産生が滞るため、
エネルギー不足による疲れを感じやすくなるというわけです。
ビタミンB1が不足しやすい人
日常的に栄養バランスのとれた食事を摂っているのなら、ビタミンB1が極端に不足してしまうことはありません。
ただ食事の栄養バランスが悪くビタミンB1の摂取量が少なかったり、激しい運動をする人、
また糖質の摂取が多い場合は代謝にビタミンB1がたくさん使われてしまうため、ビタミンB1が不足しやすくなります。
【ビタミンB1が不足しやすい人】
激しいスポーツをする人
多忙な人
糖質の摂取が多い人
食事の内容に偏りがある人
特に病気でもなんでもないのに日ごろから疲れやすい人は、上記に当てはまる項目がないか考えてみましょう。
ビタミンB1の摂取量のめやすは?
サプリメントを摂る場合に、気になるのが1日の摂取量。
厚生労働省からビタミンの食事摂取基準値が公開されているため、そういった数値を目安にすることもできますが、
ビタミンの必要量って人によって大きな差がありますから、数値を目安にできない人もいると思います。
参考:日本人の食事摂取基準(2015年版)水溶性ビタミン 厚生労働省
例えば18~49歳までの年齢層の場合、
男女ともにビタミンB1の1日の推奨量は1.1mgですが、私自身に関してはそれだと全然足りません(体感的に)。
ですが、決められた量以上の栄養素を摂取することに、抵抗を感じる人は少なくないでしょう。
サプリメントによる栄養素の摂りすぎは、栄養素の種類によっては毒にもなり得ます。なので、その感覚自体は悪いものではありません。
ただ、定められた量では全然足りないかもしれないのに、
定められているからとその数値を信じてしまうのもどうかと思います。
でも摂りすぎてしまうのも、体に負担をかけやすいという点で本末転倒であるため、
その人にあったサプリメントの最適な摂取量を考えるのは難しいことだといえます。
幸い、今回取り上げているビタミンB1に関しては水溶性であるため、過剰に摂取しても余分な量は尿中に排泄されます。
また体内に蓄積しにくいため、耐容上限量(これ以上取ると副作用が起こるという上限の量)も決められておらず、
少々なら摂りすぎても大丈夫なビタミンだといえます。
実際、サプリメントとして販売されているビタミンB1には、1回あたり50mg、100mg以上のビタミンが補給できる製品も少なくはありません。
あくまでもビタミンB1に関してとなりますが、
非常識的な量を毎日摂取するのでない限りは、摂取量の程度はあまり気にする必要はないでしょう。
ビタミンB1の過剰摂取の副作用は?
多少摂りすぎたとしても安全だとされるビタミンB1ですが、過剰摂取を続けた場合に副作用が起こる恐れはないのでしょうか?
先にあげた厚生労働省の資料によると、
1日に50mg/kg以上(体重60kgなら3,000mg)ものビタミンB1の慢性的な摂取は毒性があるかもしれないこと、
またサプリメントなどで1日10g(10000mg)ものビタミンB1(チアミン塩酸塩)を2週間半摂取続けたところ、
頭痛やいらだち、不眠、かゆみなどの症状が現れたという報告があるそうです。
水溶性ビタミンのため、摂取を中止したら2日間で症状は消えたそうですが、
副作用が全くないというわけではないようです。
ただ、それだけのビタミンB1を摂取するのは、正直いって大容量タイプのサプリメントを使っても簡単ではありません。
ましてや、うっかり飲みすぎて過剰摂取してしまうことはまずないと思われ、基本的には気にしなくても良いと考えています。
念のため、単独でビタミンB1を摂取する場合は、過剰摂取で上記のような副作用があることを頭に留めておきましょう。
疲れたら…じゃなくて疲れる前に飲みたい
疲れを感じたらサプリメントを飲むという人もいると思いますが、
ビタミンB1に関しては、できれば疲れを感じる前に補給しておきたいところです。
サプリメントを定期的に飲んでいる方はともかく、そうではないのなら、
例えば運動前にビタミンB1を補給しておくようにしたり、糖質をたくさん食べる日は多めに摂取しておくと良いでしょう。
不足した後よりも不足する前に飲んだ方が、体に不快な状況を作り出さずに済みます。
健康な方であれば、ビタミンB1は多少摂りすぎても害のないビタミンですから、少量をマメに摂るようにするのがおススメです。
iHerbで買えるおすすめのビタミンB1サプリメントは?
ビタミンB1は水溶性であり体内に長期間留めることができないため、
定期的に摂取する必要があります。
となると、サプリメントでの摂取が効率が良いのですよね。
以下、iHerbで販売されているビタミンB1サプリメントの中より、おすすめの製品をピックアップしてみました。
Doctor’s Best Benfotiamine 150
Doctor’s Bestが販売する、「Benfotiamine(ベンフォチアミン) 150」と呼ばれるビタミンB1サプリメントです。
ベンフォチアミンとは、脂溶性化したビタミンB1誘導体の名称。
一般的なビタミンB1(チアミン塩化物塩酸塩)よりも消化管から吸収されやすいだけではなく、高い血中B1濃度の持続が認められており、
医薬品としても提供されているのをよく見かけます。
ビタミンB1としての効果は、一般的なビタミンB1サプリと変わらないと思いますが、体内で長く持ちやすいというところが魅力です。
消化器官からのサプリの吸収があまりよくないと思われる方、
またスケジュールの都合でこまめにサプリメントを摂取できない方に向いたビタミンB1だといえるでしょう。
私自身は、出かける日などに多めに飲んでいくことが多いです。
本製品はベンフォチアミンサプリの中では1粒150mgと適量であるため、飲む量を調整しやすいところが好みです。
欠点は、iHerbではかなり人気が高いために頻繁に品切れになる点。
他のメーカーのベンフォチアミンもよく品切れになるため、自宅の在庫を切らさないよういつも多めに買っています。
Solgar ビタミンB1、100mg
SolgarのビタミンB1です。
特にこれといって特徴のない製品ですが、1粒100mgと量が適度なこと、またカプセルが非常に小さく飲みやすいためによく利用します。
サプリメントのマメな摂取が面倒でない方には、お値打ちでつかいやすいサプリメントではないでしょうか。
若干、ビタミンB1特有の「玉ねぎ臭」が気になりますが、それはこの製品に限ったことではありません。
大抵のビタミンB1サプリメントは、B1特有のにおいがするものが多いです。
Source Naturals Coenzymated B-1
Source Naturalsの「Coenzymated B-1」というビタミンB1サプリメントです。
こちらは舌下タイプで、コカルボキシラーゼと呼ばれる活性型のビタミンB1が使われています。
1タブレット16mgと1回あたりのビタミンB1量が少なめですが、
舌の下から吸収させるタイプであり、消化器官から吸収させるタイプのサプリメントよりも効率よく血中のB1濃度を高められるため、
たくさん摂る必要はありません。
ベンフォチアミンと同じく、消化器官の吸収がよくないと思われる方におすすめの製品です。
私自身は毎日ではありませんが、体調に応じて飲むようにしています。
あまり美味しくはないですが、ペパーミント味で口に入れづらいほどではないです。
Mason Natural ビタミンB-1、250mg
Mason NaturalのビタミンB1サプリメントです。
目立った特徴はありませんが1粒250mgと量が多く、かつお値段が安いため、他のB1と併用して利用しています。
このサプリ、1タブレットのサイズは小さいのですが、カプセルのようにツルッとスムーズに飲みこめないため、
薬やサプリメントを飲むこむのが苦手な方には向きません。
口の中に苦いタブレットが残り、嫌な思いをする可能性が高いです。
とはいえ、コストパフォーマンスは高いため、
1回でしっかりとした量のビタミンB1を摂りたい方、コストをかけたくない方にはおすすめの製品です。
Life Extension メガベンフォチアミン、250mg
最後は、Life Extensionの製品。
1粒250mgと容量の多い、ベンフォチアミンのサプリメントです。
通常のビタミンB1(チアミン)10mgに、ベンフォチアミンを250mg配合しています。
一番最初にご紹介したDoctor’s Bestのベンフォチアミンと同じく、
脂溶性のビタミンB1誘導体を使った製品であるため消化器官からの吸収がよいこと、また持続性があります。
1粒が250mgとやや多いため、細かく量を調整をしたい人には向きませんが、
朝に1日分をまとめて飲むなんて方には大容量の方が面倒がなくてよいと思います。
量が多いだけあって、粒のサイズはDoctor’s Bestの製品よりも大きめですが、
巨大という程でもないため、普通のサプリメントが飲める方なら難なく飲めるはずです。
単独のビタミンBを摂る前に、まずは「ビタミンB群」サプリを摂取しよう
ビタミンB1サプリメントについては以上となります。
ビタミンB1サプリは比較的お手頃な製品が多いため、自分の状況にあった製品を買いやすいのではないでしょうか。
ただ1点だけ述べておくと、もし他にビタミンBサプリメントを全く摂っていないというのなら、
いきなり単独の「ビタミンB1」を摂取するのではなく、複合体の「ビタミンB群サプリメント」を先に摂ってみることをおすすめします。
冒頭でも述べたように、ビタミンBはお互いの働きを補いながら働くビタミンであり、単独よりも複合的に摂取した方が効率が良いとされています。
私自身も、基本的には複合体の「ビタミンB群」を摂取した上で、
単独のビタミンBをその時の状況に応じて補うようにしています。
複合体の「ビタミンB群サプリメント」に関しては、以下の記事でおすすめをご紹介していますので、あわせてご覧下さい。