買取業者に本や雑貨を送る際、身分証を同梱するのはなぜ?リスクはない?
例えば宅配を利用し、買取業者に本や雑貨など品物を送る場合、身分証のコピーを同梱しなくてはなりません。
身分証とは、例えば運転免許証や保険証、パスポートなど本人だという確認が行えるものです。
買い取ってもらうには必ず必要となるものなのですが、コピーではあっても個人情報が書かれた重要な書類です。
入れるのに抵抗感がある人や、本当に入れなくてはいけないのかと疑問を感じる方は少なくありません。
なぜ、物を売る際に身分証が必要となるのでしょうか?
また悪用のリスクは?
本人確認は「古物営業法」と呼ばれる法律で義務付けられている
古物営業法という言葉、耳にしたことはあるでしょうか?
かなり簡単に噛みくだいて説明すると、買取業者が中古品を買い取る場合に適用する、業務に関する規則を決めた法律のことを「古物営業法」と呼びます。
買取業者に本などの品物を送付する際、身分証を同梱するように指示があるのは、
決して業者が個人情報を集めているわけではなく、業者がユーザー側の本人確認を行わなくてはならないと「古物営業法」で決められているからなのです。
業者は法律で決まっているから仕方がなく提出してもらっているだけで、
身分証のような個人情報なんて正直持っているだけで管理が大変になりますから、
できるのなら持ちたくないという業者の方が多いと思います。
この身分証の提出は、ネット上の宅配買取サービスだけではなく、
ブック○オフや近所のリサイクルショップに中古品を売る場合にも必要な手続きです。
店頭で買い取ってもらう場合、身分証を提示するだけで済みますが、
宅配買取の場合はいちいちコピーして箱に同梱しなくてはならないため、そこがちょっと面倒に感じられるかもしれませんね。
【身分証の例】
・運転免許証
・日本国パスポート
・国民健康保険や健康保険などの保険証
・年金手帳
・住民票(原本のみ)
・マイナンバーカード
ほか
なお、学生証や社員証などは顔写真が入ってはいるものの、公的機関による身分証としては利用できません。
また上記の例にあげた身分証でも、業者によっては受け付けていない場合があるため、
事前に確認しておくと良いでしょう。
しかし、なぜユーザーの本人確認を行わなくてはならないのでしょうか?
その目的ですが、中古品(あるいは新古品)を買い取る際に本人確認を行っていれば、万が一盗品を買い取ってしまった場合にも、
誰が売ったのかがすぐにわかりますし、盗難にあった方の速やかな被害回復にも繋がります。
それ以前に、本人確認をしなくてはならないとあっては盗品売買自体が難しくなるなど、犯罪を未然に防止する効果もあります。
トラブルを避けるための法律なんですね。
身分証の提示が必要のないケースと、絶対に必要なケース
中古品の買取業者はユーザーの本人確認を行わなくてはならないと述べましたが、確認しなくても良い場合もあります。
実際、中古品をリサイクルショップに売りに行ったけれど、身分証の提示などは求められなかった…なんて方もおられるのではないでしょうか。
先にも書いた通り、中古品、新古品を買い取る業者は、売り手側の本人確認を行わなくてはならないと法律で決まっていますが、
実は買い取り金額が1万円未満であれば本人確認はしなくても良いのです。
ただ例外もあり、例えば書籍やCD、DVD、ソフト、自動二輪車および原動機付き自転車などを買い取ってもらう場合は、買取価格が1万円未満であっても身分証を提示しなくてはなりません。
理由は取引される数が多いこと、また盗品売買されるリスクが高い品でもあるためです。少しでもリスクを抑えるために、そのように決められています。
身分証の提示が不要な店舗もある でも…
リサイクルショップなどの買取業者のなかには、身分証の提出が不要なお店もあります。
身分証の提出が不安だったり、面倒だという方には魅力に感じられるかもしれませんが、
本来身分証は提示しなくてはならないものであり(買取価格が1万円未満の場合は例外あり)、
それをしないのは違法です。
さきほども述べた通り、身分証の提示は盗品売買の抑止力になります。
身分証の提示が不要なお店は、盗品売買を行っている犯罪者にとっては非常に都合の良いものであり、
目をつけられる可能性もあります。
盗品を掴まされるといったトラブルに巻き込まれないためにも、
そういった店舗では商品の買取・購入ともにできるだけ利用しない方が良いでしょう。
身分証は重要な書類 気軽に提出して大丈夫なの?
品物をネットで買い取ってもらうには、身分証の提出が必須。
必要なことだとわかってはいても身分証はとても重要な書類であり、たとえコピーだとはいっても気軽に渡してしまって大丈夫なのだろうか…と心配になる方もおられるでしょう。
基本的に、本人確認を行う義務のある中古品の買取業者は、入手した個人情報を「個人情報保護法」という法律に則って扱う義務が課されます。
万が一、情報が外部へ漏れるなどの不手際があった場合には損害賠償責任を負う可能性もあるため、ちゃんとした企業であれば個人情報の取り扱いに関しては厳重に取り組んでいるはずです。
もちろん絶対にトラブルが起こらないとは断言できませんが、そのリスクは小さいと言えます。
それでも不安だという心配症な方は、買取業者としての運営期間が長かったり、
ユーザーとの取引実績が多そうな業者に限定して利用すると良いでしょう。
長く続いているということはある程度の利益をだし(=取引実績がある)、
致命的なトラブルを起こさずにやってこれているということですから、信用の目安になるはずです。
もしリサイクルショップで盗品を購入してしまった場合、どうなる?
身分証の提出は、盗品売買などを防ぐために必要な手続きのひとつです。
ですが、本人確認によって盗品売買が難しくなるとはいっても100%防げるわけではありませんし、
実際に買取業者によって盗品が買い取られ、一般に販売されることはあります。
そうやってうっかり業者が買い取ってしまった盗品を、さらにユーザーが購入することもないとはいえないでしょう。
例えばAさんが、リサイクルショップの商品を盗品だと知らずに1万円で購入し、
そのあとに盗品だと発覚。元の持ち主であるBさんが出てきて返却を求めた場合、どうなるのでしょうか?
この場合、もとの所有者であるBさんは、2年以内ならばAさんに盗品の返還請求を行うことができます。
ただ、Aさんはリサイクルショップで1万円を支払ってその商品を買ったわけですから、
商品を引き渡すのなら支払った1万円を返してほしいと思いますよね?
この対応の仕方ついては、Aさんが商品を購入する場合に、
盗品だと知っていたか、もしくは知らなかったのかによって変わってきます。
もしAさんが商品を盗品と知らずに購入したのであれば、
持ち主であるBさんがその商品を取り戻すためには、1万円をAさんに支払う必要があります。
一方で、Aさんがその商品を盗品だと知っていた場合。
このケースでは、Bさんが商品を取り戻す際、Aさんに代金を支払う必要はありません。
ポイントとなるのは、Aさんが本当に盗品だと知らなかったのかという点と、
リサイクルショップできちんと代金を支払って購入したのかという点。
リサイクルショップのレシートが残っていれば、店側の記録と照らし合わせることでAさんがきちんと購入したことが分かるでしょうし、
よほどAさんに不審なところがない限りは、盗品だと知らずに購入した証明にもなるでしょう。
リサイクルショップで商品を購入した場合は、もらったレシートを捨てずに残しておくようにしましょう。
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