なた豆は別名トウズ、タチマメとも呼ばれるマメ亜科の1年草です。
食用として利用できる植物ですが、
食べものとしてはさやの部分を用いることが多く、豆自体にはあまり親しみがないかもしれません。
しかし、なた豆の豆部分にはさまざまな薬効があるといわれており、
主には漢方薬やお茶、サプリメントなどさまざまな製品に使用されています。
身近なところでは、歯周病や口臭予防のための歯みがき粉に使われている例をみますが、
聞いた話によると、なた豆成分にはホワイトニングのような効果もあるといわれているみたいなんですよね。
なた豆にそんな効果があるとは聞いたことがないのですが、
それほどなた豆に詳しいわけでもないため、否定もできず。
というわけで調べてみました。
なた豆には薬のような効果がある
なた豆は食用に利用されるほか、含有成分による薬効を期待してさまざまな製品に利用されることが少なくありません。
なた豆の薬効とは、どのようなものなのでしょうか?
なた豆の薬効とは
Wikipediaによると、なた豆の薬効には
といったものがあげられるのだとか。
抗炎症作用があるという声もあるようですね。
なた豆には、アミノ酸の1種である「カナバニン」や「コンカナバリンA」といった成分が含まれており、
これらの成分に抗炎症や血行促進をはじめとするさまざまな作用があるとされています。
なた豆の成分が漢方薬をはじめ、さまざまな製品に使われていることからもわかるように、
食用としてよりも、なた豆に含まれる成分の薬効の方が注目を集めているようですね。
なかでも、歯周病や口臭が気になる人向けの口腔ケア製品に使われるパターンは多いです。
たかが豆にそんな効果が期待できるのかな?と疑ってしまいそうになりますが、
実際になた豆製品をおすすめする歯科医院もあることを考えると、全く効果がないというわけではなさそうです。
ちなみに、先に述べた「カナバニン」や「コンカナバリンA」といった成分には有害な作用もあり、
たくさん摂取すると副作用がでる恐れがあります(次項で触れます)。
とはいえ、一般的な製品に使われるなた豆成分に関しては問題はありません。
なた豆に含まれる成分の有害性について
なた豆に限ったことではありませんが、豆には特有の有毒成分が含まれます。
有毒成分の種類や量は豆の種類によって異なるため、一概にどう危険だとはいえませんが、
例えばなた豆に含まれる成分の1つである「カナバリン」は抗炎症作用がある一方で、
大量に摂取すると頭痛やめまいといった症状を引き起こしてしまうことがあります。
また「アミグダリン」と呼ばれる成分も、カナバリンと同様に大量摂取するとおう吐などの副作用をもたらします。
こんなことを聞くと、なた豆を口に入れる製品に使って大丈夫なの?と心配になってしまう方もおられるかもしれません。
結論からいうと、歯みがき粉に含まれるなた豆の成分に関しては、毒の心配はほとんどないといってもいいでしょう。
その理由として、歯みがき粉に使われるなた豆はほとんどが「アカナタマメ」と呼ばれる毒の弱い品種であること、
また加工時の加熱処理によって毒素が分解されてしまっていること、
さらに歯みがき粉に配合されている成分は使用量がごくわずかであり、最後には吐き出してしまうわけです。
なた豆歯みがき粉を普通に使っていて、有毒な成分が体内にはいってしまうことはまず考えられません。
ただし粗悪な製品…例えば出どころのよくわからない健康茶や、
なた豆を使用した一部製品は食用に適さない可能性があります。
食べないものなら気にする必要はありませんが、お茶のような体内に入る可能性がある製品に関しては、
信頼できるメーカーで購入するようにしましょう。
歯を白くする作用は?
ここまでの説明で、なた豆に含まれる成分にはさまざまな薬効があるということがお分かりいただけたかと思います。
ただ、今回取りあげているような「歯を白くする作用」は、調べた限りではありません。
もし歯が白くなるとしたら、それはなた豆成分ではなく他の成分の作用によるものであり、なた豆は関係ないでしょう。
であるのにも関わらず、なた豆歯みがき粉にそのような効果があると思いこんでいる人が一定数いるようなのですよね。
なぜなのか?
例えば歯みがき粉には、歯垢を効果的に落とす目的で研磨剤が含まれていることがあり、
その研磨剤による摩擦によって着色汚れが落ちることがあります。
着色汚れが落ちれば、当然ですが歯の色は明るくなります。
また歯みがき製品の中には、フルーツ酸などを配合することで歯の着色汚れを落とせるようにしたものもあり、
そういった他の成分が持つ作用を、なた豆によるものだと思いこんでいる可能性があります。
製品説明でも、誤解を招くのではないかと思われるような記載をしている製品はたまにありますから、
そう思い込んでしまっても不思議ではないでしょう。
実際には、なた豆を歯みがき粉に配合する理由は、あくまでも歯周病や口臭予防など口腔内の環境改善を期待してのものであり、
歯を白くするためではありません。というより、なた豆にそのような作用はありません。
歯を白くしたい場合はなた豆配合にこだわらず、製品説明でホワイトニング効果について言及している製品を選びましょう。
一方で口臭改善などの目的があるのなら、なた豆歯みがき粉を利用する価値はあると思います。
なた豆成分配合!かつ歯のホワイトケアが行える製品は?
なた豆入り歯みがき粉は、主に口臭改善などを目的としたものですが、
そこにホワイトケアが行える成分をプラスした製品って、かなり多いのですよね。
それは、口臭だけではなく歯のホワイトケアにもニーズがあるからでしょう。
確かに、それらのケアをいっぺんにできたら便利です。
というわけでなた豆を配合しており、かつ歯のホワイトケアも行える製品をご紹介いたします。
薬用なた豆はみがきプラス
なた豆に加えて クマザサや茶エキス、アロエなど、
口内のお悩みにアプローチする天然由来成分を配合した
発泡剤、パラベン、合成剤不使用の歯みがきです。
ニオイやネバネバに働きかけるだけではなく、ヒドロキシアパタイトやシリカの配合により、
歯の表面の着色汚れもきれいに落とします。
有効成分が一定の濃度で配合されている、医薬部外品という点が魅力ですね。
なた豆デンタルエッセンス
天然由来成分であるなた豆と、8種類のフルーツ酸を配合したホワイトニングジェルです。
やさしくブラッシングするだけで、
なた豆特有の成分が口内の悩みに働きかけるだけではなく、
歯の表面に付着した汚れ落ちをサポートします。
99%が天然由来成分であること、また研磨剤不使用など、
成分にこだわりがある方にもおすすめできるデンタルケアアイテムです。
薬用はみがき クロワールコート
薬用有効成分を豊富に配合した、発泡剤・研磨剤不使用の歯みがき粉「クロワールコート」。
歯の着色の原因となるステイン汚れや歯垢に働きかける
「ポリリン酸ナトリウム」や「ヒドロキシアパタイト」をはじめ、
口内のお悩みにアプローチする「グリチルリチン酸ジカリウム」「塩化セチルピリジニウム」などの有効成分を配合しています。
香りづけに「なた豆香料」が使われているだけで、なた豆自体は配合されていないため、
なた豆歯みがきとしてご紹介するような製品ではないのですが、
医薬部外品であり薬用有効成分がしっかりと配合されているところが魅力。
気休めではなく、ちゃんと効果が実感できそうなものを使いたいという方におすすめの製品です。
歯みがき粉によるホワイトニングと、歯科医でのホワイトニングは同じではない
歯みがき粉やジェルなどによる歯のホワイトケアは、
歯科医院で受けられるホワイトニングとは全く異なります。
歯科医院で行われるホワイトニングは、エナメル質の内部にまで沈着してしまった汚れを落とすことができますが、
歯みがき粉やデンタルジェルによるものは、できてせいぜい歯の表面の着色汚れをとる程度。
いわゆる、歯の表面の汚れを落とす「クリーニング」に近いものだと考えるとわかりやすいでしょう。
なので歯の汚れの種類によっては、歯みがき粉やデンタルジェルでは全く効果が実感できない場合もあります。
歯が白くなったという声がある一方で、全く効果がないという声があるのは上記のような理由によるものです。
歯科医院でのホワイトニングは高額ですから、
そういったものを受ける前に市販製品で試してみるというのはありだと思いますが、
必ずしも歯が白くなるとはかぎらないということを頭に留めておきましょう。